ホテイウオ(ゴッコ)のさばき方
ホテイウオをゴッコ汁用にさばく手順を動画と工程ごとの写真で分かりやすく解説しています。ゴッコは基本的にはぶつ切りにする上、背骨も含め全ての骨がとても柔らかい軟骨なので、骨ごと食べられるので、一般的な魚よりもさばきやすいかもしれません。
●ゴッコをさばく様子を動画で紹介します
◆「ホテイウオ(ゴッコ)をゴッコ汁用にさばく」YouTube動画
当サイトの公式チャンネルでご覧いただけます。
●ゴッコをさばく手順を写真と解説で紹介します
◆表面の粘膜を湯引きして落とす
ホテイウオは体表に粘膜の層がある。これを熱湯をかけるか、浸けて白く固まらせ、流水で洗い落とす。
湯は沸騰させていなくてもいいが、沸騰寸前くらいで火を止めておく。そこにホテイウオを1尾ずつ浸け、表面が全体に白くなったら引き上げて氷水に落として熱をとる。
熱湯につけると皮が縮んでホテイウオがボールのように丸く張りのある状態になる。
メスは腹にたっぷりの卵が詰まっており、熱で皮が縮んだ時にお尻から卵が飛び出してしまうことが多いので注意しよう。メスは湯に浸けてしまうより、熱湯をかけるだけの方が無難のようだ。
熱湯から揚げたらすぐに氷水に落として熱を冷ます。卵も同じように冷ます。
ホテイウオの表面に白く固まった粘膜を綺麗に洗い流す。
まるでゴムボールのようにパンパンに張ったホテイウオ。洗い終わると表面のぬめりは綺麗になくなる。
◆ホテイウオをさばいていく
背ビレや尻ビレ、胸ビレを切り取る。落としたヒレも食べられます。
歯が付いた上下の顎を切り落とす。歯は唯一硬くて食べられません。
家庭では皮付きのままぶつ切りにすることが多いと思いますが、参考までに皮をはがしてそれぞれ切り分ける方法を紹介しておきます。
背に口の断面から尾の付け根に向けて包丁を浅く入れ、切り込みを入れます。
切り込みをつけたところに指先を差し込むようにして皮をはがしていきます。皮を剥いた身は黒っぽい色をしています。
吸盤を付け根の部分から包丁で切り取ります。吸盤は食べない人も多いようですが、軟骨状で食べられなくはないです。お好みでどうぞ。
吸盤のあったところから肛門に向けて包丁を差し込み、腹を切り開きます。まず見えるところに白い肝があるので傷つけないよう付け根のところを切断して取り出します。
メスならば卵巣が腹いっぱいに詰まっているはずです。今回のメスは湯霜にした際にほとんどの卵が出てしまいました。写真はオスで、白子が入っています。白子ももちろん食べられるので撮っておきます。
背骨に沿って血合いがありますが、ホテイウオの血合いは指でつまんで引っ張ると綺麗にはぎとることができます。胃袋や腸も食べることができますが、この血合いやその他の内臓は捨てます。
後はあまり細かいことは気にせず、全体をぶつ切りにしていきます。写真は頭を切り離すところです。
頭の左右にエラが付いているので、これを指で取り除きます。後は全部食べられるのでぶつ切りに。
左右の腹の部分を切り取り、それをぶつ切りに。
背骨とその両脇に付いている身を一緒にぶつ切りにしていきます。ホテイウオは背骨もとても柔らかく食べることができます。
先にむいた皮も食べやすい大きさに切り分けます。
これで1匹分です。皮をむいてそれぞれぶつ切りにすることで、むかずに切った時よりも具材が多く感じられます。
◆もう一度湯引きする
卵はザルに入れ、ホイッパーなどで軽く混ぜほぐしながらザルごと湯に浸けて全体にまんべんなく湯にさらしてから氷水に落とします。
卵は火を通しすぎると硬くなるので表面の色が変わったらすぐに氷水で一気に冷まします。
湯引きすると粘りがある程度落ちますが完全に粘りが無くならない程度にします。
ぶつ切りの身もサッと湯引きします。
湯引きしたホテイウオのぶつ切りと肝。
ここまでの下拵えをした物をゴッコ汁や味噌汁、鍋料理などに使います。