シラエビ/白えび/シロエビ:生態や特徴と産地や旬
●シラエビの生態や特徴
◆シラエビとは
分類:ホンエビ上目 - 十脚目 - 抱卵亜目 - コエビ下目 - オキエビ上科 - オキエビ科 - シラエビ属(日本海洋データセンターより)
学名:Pasiphaea japonica Omori, 1976
和名:しらえび/白海老
英名:Japanese glass shrimp
別名:シロエビ、ヒラタエビ、ベッコウエビ
シラエビはオキエビ科の一種でサクラエビと対比されることも多いのだが、サクラエビがクルマエビなどと同じように卵を海中に放出する根鰓亜目なのに対し、サクラエビは卵を放出せずメスの腹脚に付着させ保護する抱卵亜目に属する。
富山湾を漁場とする石川県の能登や富山県の特産として知られ、産地では「シロエビ」と呼ぶのが一般的。また、富山県では1996年、ホタルイカ、ブリと共に「富山県のさかな」に選定され、 「富山湾の宝石 」とも言われている。
また、産地によっては「ヒラタエビ」、「ベッコウエビ」などの呼び名もある。
◆シラエビの生態
シラエビは日本の沿岸にしか生息しない固有種とされ、学名の種小名にも"japonica"と付けられている。富山湾のイメージが強いが、実は太平洋側の遠州灘、駿河湾、相模湾などにも生息はしている。ただ、富山湾程の生息密度がなく商業的に漁獲されていない。
シラエビは日中は水深150~300mの深海を泳いでいるが、夜間は水深100m以浅まで浮上する。
産卵盛期は7~11月で、メスは産んだ卵を腹肢に付着させ腹に抱えた状態で孵化するまで保護する。孵化した幼生はこの時点ですでに親と同じ姿をしている。寿命は2~2年半とみられる。
◆シラエビの特徴
シラエビは体長6~8cmの小さなエビだがサクラエビよりは大きく、体形は頭部が目の付け根を頂点に尖った形で、額角が無く、目のすぐ後ろに前方に向けた棘が一つある。身体は側扁し横から押さえたように平たい。
体色は透明だが手足や触角、尾や背の峰に薄い赤色の小さな斑点が無数にあるため、全体にほんのり赤く見える。
●シラエビの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
シラエビが商業的に漁獲されているのは富山湾くらいで、他の生息地では棲息密度が低くまとまった漁獲はされていないようだ。
シラエビは鮮度落ちが早いため、かつては富山湾周辺の産地でしか生鮮品は食べられないものだったが、近年は流通の発達などにより遠く離れた市場でも入手できるようになっている。
生鮮物以外では冷凍物の他、釜揚げや干物に加工されたものがある。
◆シラエビの漁獲時期と旬
富山湾でのシラエビの漁期は4月1日から11月までで、旬は4月の解禁から初夏辺りまで。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シラエビ |
●シラエビに含まれる主な有効成分とその働き
◆エビはタウリンを多く含んでいます
タウリンは脳卒中、高血圧、心臓病の予防や疲労回復、視力回復に有効とされています。
◆エビの殻も美味しく食べて健康に
エビやカニの殻にはキチンという不溶性食物繊維が含まれており、便秘の予防・改善に役立つだけでなく、大腸がんの予防やコレステロールを体外に排出するはたらきなどもあるとされています。
◆殻ごと食べると骨が丈夫に
シラエビはかき揚げなど殻ごと食べると、カルシウムやマグネシウム、リンなどが非常に沢山摂取でき、骨を丈夫にし、イライラの解消などに効果があるとされています。
◆低脂肪高タンパクな食材です
エビは脂肪分が少なく、良質タンパク質の比率が高い食材で、そういう意味ではとてもヘルシーです。