ロウニンアジ/浪人鯵/ガーラ:さばき方 三枚におろす
全長70cm近いロウニンアジのさばき方、三枚におろす手順を工程ごとに動画と写真で分かりやすく解説しています。
●ロウニンアジのさばき方 動画偏
ロウニンアジを三枚におろし、刺身用にさく取りするまでの流れを動画にまとめています。少々長いですが、YouTubeの全画面表示でご覧ください。
●ロウニンアジのさばき方 画像解説編
ロウニンアジのゼンゴとウロコを取る
◆ゼンゴを削ぎ落とす
尾の付け根から刃先を入れ、包丁を前後させながら頭部側に進め、ゼンゴをそぎ落としていく。
魚体を裏返し、反対側の前後も同じようにそぎ落とす。
◆ウロコをすき引きする
今回捌いたロウニンアジは全長70cm近いもので、ウロコがはがれにくそうだったので柳葉ですき引きする。この方が周りにウロコが飛び散らない。小ぶりの物であればバラビキでも取ることができる。
背ビレや臀(しり)ビレの際まで綺麗にすき引きしていく。
魚体を裏返し、反対の面も同じようにすき引きする。
これで両面のウロコが落とせた状態になった。
頭部と内臓を取る
ロウニンアジの頭を左手、背を手前にして置き、腹びれの右付け根からやや斜め前方に向けて包丁を入れる。
胸ビレの右側を通り頭の付け根へ切り付ける。内臓まで切り込まない程度に刃先に注意しながら切り進める。
背骨まで進めたら、刃先を直角に持ち替え、背骨の関節を探り、刃先が刺さりそうなところで背骨を断ち切る。
腹が手前になるように魚体を返し、反対側も同じように腹びれの脇を通って腹ビレの切り込みのところまで切り進める。
逆刃にして、腹を肛門まで切り開く。
頭部を胴体から離す。この時、内臓も一緒に引き出すようにする。
腹を開いて、背骨のところにある血合いの膜を切り開く。
腹の中を綺麗に洗う。血合いのところはササラや歯ブラシを使うとよい。
◆氷を入れたたて塩に浸す
綺麗に血合いなどが洗い落とせたら、3%程の塩水に氷を加え、その中にしばらく浸けて芯まで冷やしておく。今回容器の大きさの関係で尾ビレを切り落として浸けているが、出来れば切断せずに残しておいた方が後でさばきやすい。
三枚におろす
◆片身をおろす
塩水からあげ、水分をしっかりとふき取っておく。
尻びれに沿って浅く刃先を入れ、尾柄から臀(しり)ビレの前始点辺りまで切り込みを入れる。
先の切り込みにまた包丁を差し込み、中骨の上を滑らせるように何度か刃先を動かし、刃先が背骨に届くところまで切り進める。腹の部分も身を軽く持ち上げながら背骨まで切り込んでおく。
魚を返し、背中側を背ビレに沿うように浅く尾から首元まで切り込みを入れる。
切り込みをつけたところに刃を刺し、中骨の上を滑らせるように何度か刃先を進め、背骨まで切り込む。
尾の付け根の身を軽く左手で持ち上げながら、身と背骨の間に刃を入れ、包丁を水平に持ち、背骨の上に沿って刃を進め、身と骨を切り離していく。
今回は尾鰭を切断してしまっているので身を持ち上げているが、尾ビレを残している場合は魚体が動かないよう尾柄を掴みながら、刃先を背骨に沿って切り進めていくとよい。
腹骨と背骨の接合部は刃先の角度を腹側から背に向けるような感じにして切り離していく。
これで片身がおろせた状態。
◆もう片方をおろす
反対側の身も同じようにおろす。背ビレに沿って尾の付け根まで浅く切り込みを入れる。
続けて何度か刃を中骨に沿わせながら背骨まで切り込む。
腹側も腹の部分も身を軽く持ち上げながら、尻びれに沿って切り込みを入れる。
先の切り込みにまた包丁を差し込み、中骨の上を滑らせるように何度か刃先を動かし、刃先が背骨に届くところまで切り進める。
腹側も、尻びれに沿って切り込みを入れ、背骨まで切り込む。
尾側の身を持ち上げながら背骨から身を切り離していく。
これで三枚になりました。
◆身を整え、サクにする
包丁を逆刃に持ち、腹骨と血合い骨の接合部を切り離しておく。
腹骨に沿って薄く包丁を入れ、腹骨をそぎ落とす。
さくにする場合は血合いの部分で背と腹の身に分ける。この時、血合い骨が腹身に残るように骨に沿って背の身を切り離す。
切り分けた背身。背身でも結構脂がのっている。
腹の身に残した血合い骨と血合いを薄く切り落とす。
皮を引く場合は、尾の付け根の皮を少しはがし、その皮の端を手でつまんで引っ張るような感じで、身と皮の間に包丁を入れ、刃先の平らな面がまな板と平行になるイメージで少しずつ小刻みに刃先を動かして皮を引いていく。
これでさく取りができた。これをキッチンペーパーかさらしを敷いたバットに並べて袋などに入れ、冷蔵庫、出来れば氷温庫で寝かせ落ち着かせてから刺身などに切る。