メジナ/眼仁奈/グレ:生態や特徴と産地や旬

メジナ/眼仁奈/グレ

●メジナの生態や特徴

◆メジナとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > イスズミ科 > Girellinae(メジナ亜科) > メジナ属(日本海洋データセンターより)

学名:Girella punctata Gray, 1835

和名:めじな/眼仁奈/目仁奈

英名:Largescale Blackfish

別名:グレ、クチブト、ツカヤ

 メジナはスズキ目イスズミ科(またはメジナ科)の一種で、別名「グレ」と呼ばれ釣りの対象魚としては知られているが、料理の素材としては人気があるとは言えず、市場での値も安い。

 同じメジナ属の近縁種に「クロメジナ」と「オキナメジナ」がおり、「クロメジナ」は「オナガグレ」または「オナガメジナ」と呼ばれ、メジナよりも味が良く値も少し高めだが、「オキナメジナ」はメジナとそっくりであまり区別されていないと思われる。

◆メジナの生態

メジナ/眼仁奈/グレ

 メジナは北海道辺りから南の日本海沿岸、房総半島辺りから南の太平洋沿岸、台湾辺りまでの東シナ海沿岸に分布する。

 成魚は比較的浅い海の岩礁帯に生息し、水温が高い夏場は小エビなどの甲殻類や多毛類といった動物を捕食するが、水温が下がる冬場は海苔などの海藻を食べるようになる。

 産卵期は2月頃から6月頃にかけてとみられ、幼魚や若魚は漁港の波止などに群れていることも多い。


◆メジナの特徴

メジナ/眼仁奈/グレ メジナ/眼仁奈/グレの歯

 メジナは大きいものだと全長60cmほどにもなるが、市場に並ぶものの多くは40cm程のもの。体形は強く側扁し体高が高く、頭部はやや小さめで背ビレは14~15棘12~15軟条からなり前部の棘状から後部の軟条まで途切れず連続している。頭部から吻にかけて丸みがあり、上下の顎にあまり硬くない薄い櫛状の歯が並んでいる。

 体色は生体では全体に濃紺から青緑で個体によって不明瞭な横縞が入っているものや白っぽい斑がある物もいる。腹は銀色だが、死んでからは体全体が黒っぽくなり、斑がある物も消える。

◆メジナとクロメジナの比較

クロメジナとメジナ,オナガグレ,クロ,Girella leonina

 近縁種のメジナとはよく似ているが次のような点で見分けることができる。

1.クロメジナの鰓蓋(えらぶた)後方は黒く縁どられているのに対し、メジナはほぼ黒くはない(ただし、稀に暗色のものはいる。

2.背ビレ棘条部中央下横列鱗数はクロメジナは8~13(通常10~11)4であるのに対し、メジナは6~9(通常7)と少ない。

3.メジナは各鱗の基部あるいは中央部に暗色点がみられるものが多いが、クロメジナのウロコにはない。

4.成魚の尾柄部はメジナに対し、クロメジナの方が細目で、尾ビレの上下後端が少し伸びた形になる。

5.クロメジナの方がウロコが少し小さく、側線有孔鱗数はメジナが50~56なのに対しクロメジナは57-65と多い。

クロメジナとメジナ,オナガグレ,クロ,Girella leonina

●メジナの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 メジナは釣りの対象後として分布域の各地で釣られている他、伊豆半島や紀伊半島の沿岸や、山陰の沿岸各地、九州の沿岸などでよく水揚げされている。ただ、漁業の対象としてはあくまでも混獲される魚の一つであって、この魚を目的とした漁が行われているわけではない。

◆メジナの漁獲時期と旬

 メジナは通年獲れる魚で、夏場も釣りの対象としては人気が高いが、夏のメジナは個体によって磯臭さが強いものが多い。産卵期は春先から初夏にかけてで、産卵を控えた頃晩秋から冬に獲れたものは「寒グレ」とも呼ばれ、臭みも少なく脂がのって美味しく、この時期が旬となる。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
メジナ(グレ)                        

 
 

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