スマ:生態や特徴と産地や旬
●スマの生態や特徴
◆スマとは
分類:魚類 - 条鰭綱 - スズキ目 - サバ亜目 - サバ科 - Scombrinae(サバ)亜科 - Thunnini族 - スマ属(日本海洋データセンターより)
学名:Euthynnus affinis (Cantor, 1849)
和名:すま/須万/須満
英名:Kawakawa、Black skipjack、Eastern little tuna 他
別名:すまがつお、やいとがつお(灸鰹)、ほしがつお(星鰹)、モンガツオ(モンカツオ 紋鰹)
スマはサバ科スマ属の一種でマグロやカツオと同じThunnini族に分類されている大型の回遊魚である。漁獲量が少なく、一般にあまり認知されていないが、味の良さは折り紙付きで知る人ぞ知る旨い魚だ。
学名の”Euthynnus”はギリシャ語で「良い」、「真の」を表す”eu”とマグロを表す”thynnos”に由来する。種小名の”affinis”は「近似の」、あるいは「類縁関係のある」という意味らしい。
エラの後方腹側に黒い斑点がいくつかあり、これがお灸の跡のように見えることから「やいと」とも呼ばれている。
◆スマの生態
スマはインド・太平洋の温帯から熱帯にまで広く分布する回遊魚で、日本近海では九州四国や沖縄など主に南日本に多い。
カツオなどが大きな群れで回遊するのに対し、スマは大きな群れはつくらず小さなグループや単独で回遊する。
食性は他のThunnini族と同じように甲殻類やイワシなどの魚類、それにイカなどの頭足類を捕食する。
「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は兵庫県浜坂~長崎県の日本海沿岸・東シナ海沿岸(少ない)、相模湾〜屋久島の太平洋沿岸(北部では少ない)、琉球列島、小笠原諸島となっており、海外においては朝鮮半島南岸、済州島、インドー太平洋の温帯~熱帯域に広く分布する。
◆スマの特徴
成長すると全長1m、10Kgにもなるようだが、市場で目にするものは全長50cm前後のものがく、私はまだそれほど大きいものを見たことはない。写真のものも46cm。カツオも成長すると1mを超えるというが市場ではほとんど見ない。
体形はカツオなど他のThunnini族と同じように紡錘形で尾側よりも頭部側の方がやや大きい。第一背ビレは前端が長く後方に向けて急激に短くなる。
体色はいぶし銀色で、背にマサバのような黒い帯状の縞模様がある。
カツオとよく似るが、胸ビレ下方の数個の小黒斑が見分ける大きな特徴で「やいと」という呼び名の由来となっている。また、体側に縦縞は現れない。カツオは口骸骨に歯がないのに対しスマには小さな歯が並んでいることなどの違いがある。
●スマの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
主な産地は鹿児島県や長崎県をはじめ三重県や和歌山県など。大きな群れで回遊しない魚で、漁獲量が少なく産地以外では一般のスーパーなどに並ぶことはほとんどない。
味の良さと成長の早さから養殖も始まり、和歌山県では人工産卵からの養殖に成功し”全身トロ”の「海の三ツ星」というブランド名で2016(平成28)年に東京と大阪の百貨店に初出荷されたと新聞記事になっていた。その他愛媛県でも養殖が始まっており、こちらは「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」というブランド名となっている。
◆スマの漁獲時期と旬
通年漁獲はあるようで、味も大きなムラは無いと言われている。旬とされているのは秋から冬にかけて。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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スマ |
< 出 典 >
※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 p.261
※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 p.1652
※「食材魚貝大百科 ④」平凡社 p.108
※「旬の食材- 秋の食材」 -講談社 p.40
※FishBase Cheilopogon pinnatibarbatus japonicus