ウッカリカサゴ:生態や特徴と産地や旬

ウッカリカサゴ/うっかり笠子

●ウッカリカサゴの生態や特徴

◆ウッカリカサゴとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > カサゴ目 > カサゴ亜目 > メバル科 > メバル亜科 > カサゴ属(日本海洋データセンターより)

学名:Sebastiscus tertius(Barsukov & Chen, 1978)

和名:うっかりかさご/うっかり笠子/うっかり鮋/うっかり瘡魚

英名:Red Marbled Rockfish

別名:オキガシラ(沖がしら)、オキボッコ、ボウチョウカサゴ、アカホコ

 ウッカリカサゴはメバル科メバル亜科カサゴ属の一種で、地方によって「オキガシラ」、「オキボッコ」などとも呼ばれている。これはカサゴの地方名に「沖(おき)」を付けた名前で、カサゴより沖の深場で獲れる事からそう呼ばれるようになったと考えられる。

 ウッカリカサゴとは面白い名前の魚だが、この魚がぼーっとしている訳ではなく、身近な魚なのに日本の魚類学者が同じカサゴ属のカサゴとこの魚の違いに気付かずうっかりしていたからと1979年に魚類学者の阿部宗明氏が和名を付けたそうだ。

 釣りをする人にとってはカサゴと共にこの種も認知されているかもしれないが、市場も一般的の人にとっても「カサゴ」との違いは大きな事ではなく単にカサゴとして扱われていることが多い。

◆ウッカリカサゴの生態

 ウッカリカサゴは南三陸辺りを北限とする太平洋沿岸部と能登半島辺りを北限とする日本海沿岸部、瀬戸内海、九州西岸から朝鮮半島南部、そして東シナ海からフィリピン、インドネシア辺りまで分布しており、成魚はカサゴよりも深い水深50~150mの岩礁域でエビやカニなどの甲殻類や小魚、小さなイカなどを大きな口で捕食して生息している。また、大型になるにつれ深場へ移動するとされる。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は青森県津軽海峡~宮崎県の太平洋沿岸、若狭湾、山口県日本海沿岸、長崎県五島列島南西沖~東シナ海中部の大陸棚縁辺域となっており、朝鮮半島前縁岸、台湾北部、香港、ジャワ島東方でも分布が確認されている。

◆ウッカリカサゴは卵胎生

 ウッカリカサゴはカサゴと同じく卵胎生で、卵を産むのではなく、体内で受精し、体内で孵化するまで守り育て、稚魚になってから産む。これは哺乳類などのように胎内で栄養を送り込んで育てる訳ではなく、卵を放出せず留める事によって少しでも多くの子孫を残そうとするもの。

◆ウッカリカサゴの特徴

ウッカリカサゴ/うっかり笠子

 ウッカリカサゴはカサゴよりも大きくなり、標準サイズでも30~40cm、大きいものは60㎝近くの物もいるとされる。

 体形はカサゴと見分けることが難しいほどほぼ同じで、体の割に口や頭部、ヒレが大きく、背が盛り上がった形をしている。背ビレや腹ビレ、臀(しり)ビレには鋭く硬い棘条(きょくじょう)があり、エラ蓋にも鋭い棘(とげ)が出ている。

 体色は赤からオレンジでカサゴに比べて明るい色合いで、深場にいるものほど赤く、浅いところのものは褐色が強くなります。体側には小さな丸の白い斑紋が沢山あり、これらの多くに暗褐色の縁取りが見られます。

●主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 市場ではカサゴと同じように扱われ、ウッカリカサゴ単体での水揚げ量や取引量の統計は見当たらなかった。カサゴに比べ、沖合の深場にいることからカサゴ程は漁獲されていないと思われる。

◆ウッカリカサゴの漁獲時期と旬

ウッカリカサゴ/うっかり笠子

 ウッカリカサゴは一年を通して水揚げがあり市場に並びますが、その量は安定的ではない。

 季節を問わず美味しい魚ではあるが、旬はカサゴと同じ冬から春ではないかと思われる。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ウッカリカサゴ                        

 
 

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