マツカワガレイ/松皮鰈/まつかわがれい:さばき方 五枚におろす
マツカワガレイ/松皮鰈/まつかわがれいのさばき方を工程ごとに写真で分かりやすく解説しています。マツカワガレイは大きいものが多く通常はヒラメと同じように5枚におろします。刺身用にさく取りする方法や、皮の引き方も紹介しています。
●マツカワガレイを五枚におろす
◆うろこを落とす
マツカワガレイのウロコは硬くはがれにくいので、包丁ですき引きする。
すき引きしやすいように出刃包丁で背ビレと臀(しり)ビレを切り落としておく。
胸ビレも取っておく。
柳葉包丁に替え、尾の付け根から頭に向けてウロコをすき引きしていく。
基本はヒラメの場合と同じだが、ヒラメより皮が柔らかく引きにくい。
縁のエンガワ部分やエラの傍まで丁寧にすき引きしていく。
無眼側も同じようにすき引きしていく。
全体が綺麗にすき引き出来たら一旦水で表面を洗い流し、水気をしっかりとふき取る。
◆頭と内臓を取り除く
頭を左手、背を手前にして置き、腹びれの右付け根から包丁を入れ、胸ビレの右側を通り頭の付け根へ切り付ける。
内臓まで切り込まない程度に刃を入れた状態で、背骨まで進め、背骨を軸にして頭部の肉を切り込む。
背骨に直角に刃をあて、骨を切断する。
背骨を軸に腹が手前になるように魚を回転させ、反対側も同じように腹びれの脇を経由して腹ビレの切り込みまで切る。
頭部を胴体から離す。この時、内臓も一緒に引き出すようにする。
腹を開いて、背骨のところにある血合いの膜を切り開く。
これはメスで腹に卵巣が入っているが、この時点では取り出さずそのままにして置く。
腹の中を綺麗に洗う。血合いのところは歯ブラシを使うとよい。
綺麗に流せたら水気をしっかりとふき取る。
◆五枚におろす
尾の付け根に切り込みを入れる。
頭を右手にして置き、頭の付け根から背骨に沿ってまっすぐ尾の切り込みまで、刃先が背骨に当たっているのを感じながら切り込む。
◆上身をおろす 背身
まず背身からおろす。
背骨の上に入れた切り込みに刃先を入れ、背骨の背側の斜面に沿って刃先の傾斜を合わせ、尾の付け根まで切り進める。
中骨の上を刃先を滑らせるように少しずつ中骨から身を切り離していく。軽く身を持ち上げながら切り進めるとよい。
縁側まで進んだら、そのままヒレ骨の上を滑らせるように包丁を進め、身をはがす。
◆上身をおろす 腹身
腹側は尾の付け根から背骨に沿って刃先を入れていく。
中骨の上を滑らせるように刃先を進め、少しずつ切り離していく。
腹骨の部分は背骨との関節を切り離しながら切っていく。
腹の卵巣を傷つけないよう注意しながら、身を持ち上げて縁側まで切り離していく。
上身を外した状態。
◆切り込みを入れる
尾の付け根に切り込みを入れる。
上身の時と同じように、今度は尾側から頭の方に向けて背骨に沿って切り込みを入れる。
◆下身をおろす 背身
背骨に入れた切り込みに刃先を入れ、背骨の背側の斜面に合わせて刃先を傾け中骨に届くまで刃先を入れた状態で尾の付け根から頭部の切断面まで切り進める。
中骨の上を包丁が滑るような感じで身を切り離していく。
◆下身をおろす 腹身
腹骨と背骨の関節を切り離しながら切り進める。
腹骨の部分が過ぎたら、背骨の傾斜に合わせて尾の付け根まで背骨から身を切り離していく。
身を持ち上げながら中骨の上を刃先を滑らせるように切り進め、縁側まで切り離す。
これで5枚におろせた状態。背身と腹身は色が違うのがよくわかる。背身の方が肉厚で黒っぽく、下身は色が白くて綺麗だがやや薄い。
●マツカワガレイをさく取りする
◆エンガワを切り離す
腹骨に沿って薄く包丁を入れ、腹骨をそぎ落とす。
薄い腹の部分と縁側を切り離す。
背身のエンガワも切り落とす。
背骨側の血合い部分に沿って指先で小骨が残ってないか確認し、小骨があれば骨抜きで抜いておく。
背身、腹身ともに縁側を切り離した状態。全て皮はまだ付いたまま。
刺し身にするなど皮を引く場合はは包丁で引く。
尾の付け根の皮を少しはがし、その皮の端を手でつまんで引っ張るような感じで、身と皮の間に包丁を入れ、刃先の平らな面がまな板と平行になるイメージで少しずつ小刻みに刃先を動かして皮を引いていく。
使う料理によって皮は残す場合もある。