牡蠣/カキ/かき:特徴と料理
●牡蠣の特徴
◆固着し移動しないので内臓が大きい
貝にもいろいろいますが、牡蠣は一旦岩場などに着くとずっとそこに固着し、潮の流れによって餌を取り込むので移動するための筋肉が発達せず、大部分が内臓となります。
◆貝柱は一つ
二枚貝でもアサリやハマグリなどは貝柱が2個あるのに対し、牡蠣には一つしかありません。殻を開ける時はナイフを差し込み、真ん中あたりにある貝柱を殻から切り離します。
◆真牡蠣(まがき)
ほぼ養殖されているものと思っていいでしょう。産地や養殖方法などにより殻の形は違ったりします。近年は産卵せず夏場でも身痩せせず美味しく食べられる3倍体牡蠣も登場しています。
◆岩牡蠣(いわがき)
ほとんどが天然もので、素潜りなどによって獲られています。こちらも生息していた環境によってからの形は様々です。マガキに比べ大きなものが多い傾向にあります。
隠岐諸島では養殖もおこなわれています。
◆イタボガキ(いわがき)
ボタンガキとも呼ばれるもので、かつては底引き網でたくさん獲れていたようですが、現在では各地で絶滅危惧種の一つとなっています。マガキに比べ貝柱が大きいのが特徴。
◆住ノ江牡蠣(すみのえがき)
有明海で養殖されてきた牡蠣の一種で、「ヒラガキ」や「サラガキ」などとも呼ばれています。マガキよりも厚みがなく、中に身も小ぶりのものが多いですが、身に締りがあって食感がよく美味しい牡蠣です。しかし、近年は養殖が海苔にシフトしてしまい市場には出回らなくなりました。
●牡蠣の保存と食中毒
◆牡蠣の保存方法
牡蠣はアサリやハマグリとは違い、海水に浸しておかなくても1週間くらいは生きています。これは干潮時に干上がる岩場などでも生きていられる性質によるものです。ただ、直接氷に長時間当てて冷やすと死んでしまうようなので注意してください。
◆「生食用」と「加熱用」
牡蠣には「生食用」と表記されているものと、「加熱用」とされているものがあります。生食用とはウイルスや菌がいない海域で育てられたものか、水揚げされてから一定の時間紫外線などで滅菌された海水で清浄されたりしたもので、様々な条件をクリアし、生のまま食べても食中毒を起こす原因菌がほとんど含まれていないものです。
一方加熱用とされているものは上記の限りではないということで、多少のリスクがあるということです。なので、加熱用は生で食べることはしないでください。
いずれにかかわらず産地では生育海水中の植物プランクトンの種類や貝に含まれる毒などが定期的に検査され、一定の基準を超えた場合には出荷停止などの措置が取られています。
また、生食用とされているものの中には、滅菌処理などの過程で身痩せしたり、旨みも流失していまうケースもあるようなので、加熱して食べるのであれば加熱用の牡蠣をお勧めします。
◆カキ(牡蠣)の食中毒
主な食中毒の原因は二枚貝に共通する貝毒とノロウイルスとも呼ばれるSRSV(小型球形ウィルス)によるものがほとんどです。貝毒は有害プランクトンを摂取することによりその毒を貯めてしまうことで起こるもので、加熱処理しても無害化しません。
一方、ノロウイルスは加熱することで死滅します。生食した場合、体調が悪い時や疲れている時などにたくさん食べると発症することが多く、一旦感染してしまうと、その患者からの飛沫感染や手からの接触感染で瞬く間に広がってしまいます。飲食店では死活問題ともなる食中毒の原因物質として注意が必要です。
●牡蠣(かき)の美味しい食べ方と料理
◆生ガキ
牡蠣は何といっても生ガキで食べたくなりますね。殻を開けて、レモンなどを絞れるだけでご馳走の出来上がりです。
◆蒸すか焼く
牡蠣の殻は慣れていないとなかなか開けにくいです。でも加熱すればフタが開くので簡単。鍋やフライパンに平らな方を上にして牡蠣を敷き詰め、なべ底に少しの水か酒を注いで蓋をして数分蒸します。殻が開いたら食べ頃です。アサリなどのようには完全にフタが開くわけではないので、よく見てくださいね。
また、同じように網に並べて焼いても美味しいです。殻がぱちぱちとはじけ小さな破片が飛ぶことがあるので注意しましょう。
いずれも、そのまま何もつけずに食べても美味しいですが、好みで醤油をたらしたり、レモンを絞っても美味しいです。
◆カキフライや天ぷら
カキフライは王道ですね。でも天ぷらも絶品です。
◆その他にもいろいろ
牡蠣ご飯や鍋、グラタンなど、様々な料理で楽しむことができます。
◆牡蠣(かき)を使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトの牡蠣(かき)を使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
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