ホヤ/海鞘/ほや/真海鞘/マボヤ:生態や特徴と、主な産地と旬

ホヤ/海鞘/ほや/真海鞘/マボヤ

●ホヤの分類と生態

◆ホヤとは

分類:ホヤ綱 > マボヤ目 > マボヤ亜目 > マボヤ科 > マボヤ属

学名:<マボヤ>Halocynthia roretzi (Drasche, 1884) 、<アカボヤ>Halocynthia aurantium aurantium

英語:Sea pineapple、sea squirt

ホヤ/海鞘/ほや/真海鞘/マボヤ

 ホヤは脊索動物門尾索動物亜門ホヤ綱マボヤ目マボヤ亜目マボヤ科マボヤ属の一種で、ホヤ貝とも呼ばれていますが、厳密には貝ではありません。ホヤの仲間には日本だけでも百数十種程もいると言われていますが、食用とされているものはマボヤやアカボヤなどごく一部です。これらは養殖もされ、東北や北海道では一般的な食材として親しまれています。

 食用とするホヤは成体の姿で、このような姿になる前はオタマジャクシのような姿で脊索や神経管を持つが口や消化器官はなく、変態するまで何も食べず海中を漂うように泳ぐそうです。

 この幼生はその後岩場などに着き変態を完了し成体となり、その後は移動することなく、まるでポンプや濾過装置のように、入水管からプランクトンやデトリタスを含んだ海水を吸い込み、出水管から不要な排泄物とともに余分な水を排出して生息します。

 ホヤは雌雄同体で、一つの個体が卵と精子を同時に海水中へ放出し、海中で受精します。ホヤの種類によっては体内で受精するものもいるようですが、いずれにしても、基本的に自分から出した卵と精子同士は受精しない自家不和合性を持っているとされています。

◆真海鞘/マボヤの特徴

ホヤ/海鞘/ほや/真海鞘/マボヤ

 マボヤは高さ15cm程なる卵型で、体表は赤橙色から赤褐色の固い皮に覆われ、その表面には無数の突起が出ています。

 頂上部には二つの大きな突起があり、それが入水口と出水口で、写真のように片方はプラスの形に閉じ、もう一方はマイナスの形に閉じています。海中で活動している状態ではどちらも口を開けていますが、水揚げとともに海水を体内にため込んだままこのように閉じてしまいます。プラス側が入水口で、マイナス側が出水口です。

マボヤの断面

 食べるのは、この表面の皮と、中のワタの部分を除いたオレンジ色の身の部分です。

 ホヤは見た目もグロテスクですが、よく「海を食べているような・・・」などと評されるような独特の磯の風味があり、好き嫌いがかなりはっきりしているようです。この香りはホヤ特有のシントラオールと呼ばれる不飽和アルコールによるものだそうです。

●ホヤ(海鞘)の主な産地と旬

◆ホヤの主な産地と生産量

ホヤ/海鞘/ほや/真海鞘/マボヤ

 ホヤはもともと東北地方で地元の漁師さんが食べていたくらいのマイナーな食材だったものが、宮城県で養殖が始まり今では全国的にその存在が知られるようになりました。。

ホヤの主な産地と生産量

 天然物の漁獲量は統計データが見つからないので分かりませんがマボヤは全国的に生息し、中でも牡鹿半島、男鹿半島以北の東北地方に多く、岩手から宮城に至る三陸沿岸では養殖も行われ主産地となっています。また、アカボヤはほぼ全て天然物で、北海道で主に産します。

 表は政府がまとめた平成27年産の養殖ホヤの収穫量です。宮城県が最も多く、次いで北海道、岩手県、青森県となっています。

●ホヤの産卵期と美味しい旬の時期

 ホヤは晩秋の11月頃から翌春にかけて産卵期になります。その時期は漁獲されません。天然物の漁期は4月から8月にかけてで、養殖物は3月頃から水揚げが始まり、6月から8月に旬を迎えます。

 美味しいホヤが食べられる旬の時期も5月から8月までの夏場となります。旬の初夏から夏にかけてはグリコーゲンが最も多くなり、甘みや旨味がたっぷり詰まった美味しさが楽しめます。

旬のカレンダー
旬カレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ホヤ                        

 
 

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