ヒラメ(鮃/ひらめ):目利きと捌き方や主な料理
■ヒラメの目利き
●身に張りがある物
ヒラメの場合は身に張りがあって押してみて弾力のある硬さを感じるもので、表面が乾いていない物を選びます。身が柔らかく締まりがない物は鮮度が落ちているか、新鮮でも食感や脂の乗りが著しく良くないものと思ってください。
次に頭から胴に向けて縁が上下に張っているもので肉厚な物を選びます。尾に近ずくにつれて薄くなっていきますが、なるべく先まで身がしっかりとあるものを選ぶと良いでしょう。
●エラが鮮紅色のもの
ヒラメも他の魚同様、エラの中のチェックも忘れずに。綺麗な鮮紅色をしている物が良いです。
●刺身にするなら活〆されているもの
エラの上と尾の付け根に切り込みが入れてあるものは活け締めされたものです。刺身に使う場合は活け物か活け締めされた物がお勧め。
●天然ヒラメと養殖ヒラメ
ヒラメの天然物と養殖物の見分けは意外に簡単で、目のない右側を見て、真っ白のものが天然。養殖物の場合は水槽の水深が浅く光が入るため、黒いブチになったり、模様が付いてしまっているものが多い。ただ、近年様々な研究が進み、養殖物でも真っ白のものやそれに近いものが増えてきています。
ただし、味的にどうかと言われると、好みの問題もあり一概には言えません。個人的には、良い状態の刺身の場合であれば天然物の方が旨みというかコクのようなものが強く、身に腰があるように感じて好きですが、養殖物は脂ののりがよく、こちらの方が美味しいと感じる方も多いようです。
■ヒラメの目利きと寄生虫問題
●ヒラメの寄生虫
ヒラメにはクドア・セプテンプンクタータという寄生虫が潜んでいる場合があり、これが、これまで原因不明とされていた食中毒の原因である可能性が高いと2011年4月25日、厚生労働省の審議会で発表された。
その後、同年10月6日で奈良、10月10日島根でそれぞれ養殖のヒラメを生食し、クドア・セプテンプンクタータという寄生虫による食中毒であると断定されています。このクドアは加熱するか、マイナス15~20度で4時間以上冷凍すれば死滅するとされています。2013年からは、食品衛生法による食中毒原因物質に加えられ、報告が義務付けられるようになりました。
この寄生虫は主に韓国から輸入されていた養殖物が原因だったようですが、国内の養殖業者も大きなダメージを受けたようです。
■ヒラメを使った主な料理
●ヒラメの刺身
鮮度が良いヒラメは何よりも刺身で頂きたいですね。歯ごたえがしっかりしているので薄造りに、一晩寝かせ旨みを引き出した物はやや厚めに刺身にすると美味しいです。
●ヒラメのエンガワの刺身
ヒラメのエンガワも刺身に。安い回転寿司でお馴染みの「エンガワ」はヒラメではなくカレイのエンガワがほとんど。新鮮なヒラメのエンガワは食感がとても良い。
刺身で食べる他、塩胡椒にオリーブ油と柑橘を絞ってマリネにしたり、コチジャンとごま油で和えても美味しい。
●ヒラメのエンガワの握り
ヒラメは高級鮨ネタとしても人気で、上品な白身の味わいは格別だ。
鮮度が良い状態で握ったものはそれはそれで美味しいが、丁寧に手当てをしながら数日熟成させてから握ったものはまた別物と思えるほど旨味が増す。
●ヒラメのカルパッチョ風マリネ
ヒラメを薄くスライスして皿に敷き詰め、ニンニクの断面をちょんちょんとこすりつけ、塩胡椒を振り、レモンを絞りかけてオリーブ油を全体に塗る。
ニンニクは効かせすぎない方が良い。すぐに食べても美味しいが、しばらく馴染ませ他方が美味しい。
●ヒラメの昆布締め
サクどりしたヒラメに塩を振り、少し馴染ませて余分な水分をふき取ってから、砂糖を少しふり、酒をまぶして昆布に挟むように包んで一晩締めたもの。
昆布の香りと旨味をしっかりとまとい、ヒラメが別物に化ける。締めておく時間は好みで数時間から2晩位まで加減する。また短時間で締めたい場合はサクごと締めるのではなく、切り身にして締めるといい。
締める時間が長くなるほどヒラメの水分が抜け、昆布のエキスをまとってネットリとした状態になり薄くスライスするのが難しくなる。
●ヒラメのムニエル
ヒラメは白身でフランス料理ではムニエルにすることも多い。クセが無いので、様々な食材と合わせやすい。
上の写真はヒラメのムニエルに濃厚なカニ味噌のクリームソースを合わせたもの。下はトマトを加えたパセリレモンバターソースとバジルソースを合わせたもの。
たた淡白な白身なのでバターとの相性がよくとても美味しい。
●ヒラメのポワレ
ヒラメを皮付きのまま切り身にして、オリーブ油で皮目をカリッとなるまで焼き上げたポワレ。
焼き過ぎないよう注意しよう。しっとりと焼きあがった身は甘味がありとても美味しい。
●ヒラメのアラの煮付け
ヒラメの頭とカマの部分を酒、醤油、みりんで煮付けたもの。大きい割に食べられる部分は少ないが、少ない実の部分はとても美味しい。
●ヒラメの吸い物
ヒラメの骨などのアラもいい出汁がとれるので有効に使いたい。
アラはあらかじめ沸騰させた湯をかけて臭みなどを落としてから鍋に入れ、昆布と共に酒と水を張って火にかける。
沸騰し始めたら昆布を取り出し、アクをすくいながら30分ほど煮出す。
出汁を濾してヒラメの切り身と細切りにしたニンジン、ネギを加え、塩で味を整える。
しっかりと出汁が出ていて身も美味しい。
●ヒラメのフライ
小さいソゲはフライ、てんぷら、から揚げなど、身がタンパクなので、油と合わせる料理に向いています。
●ヒラメの真子の煮付け
3月に仕入れた長崎県産のヒラメには成熟途中の真子が入っていたのでそれを甘露煮にしてみた。
まだ卵の粒が細かかったがコクがあり美味しく頂けた。
●ヒラメの蒸し料理
ヒラメはワイン蒸しやアクアパッツアも美味しい。蒸しあげてから、熱々に熱したごま油かガーリックオリーブオイルをジュワーッとかけるような料理も美味しい。
●ヒラメの塩焼き
ヒラメの切り身を塩焼きにしてみた。
不味いという訳ではないが、身はややパサついた感じで、塩焼きにするならヒラメでなくてもいい、ヒラメにはもったいない食べ方だとあらためて感じた。
●ヒラメの皮も美味しい
ヒラメの皮はさっと茹でて湯引きしたものを細切りにして刺身に添えたり、カラッと揚げて添えると美味しく食べられる。
◆ヒラメを使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトのヒラメを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
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