ハタハタ/鰰/はたはた:生態や特徴と産地や旬
●ハタハタの生態や特徴
◆ハタハタとは
分類:魚類 - 条鰭綱 - スズキ目 - ワニギス亜目 - ハタハタ科 - ハタハタ属日本海洋データセンターより)
学名:Arctoscopus japonicus (Steindachner, 1881)
和名:はたはた/鰰/鱩
英名:sailfin sandfish、Japanese sandfish
別名:カミナリウオ、シロハタまたはシラハタ
ハタハタはスズキ目ハタハタ科の魚で、「ハタハタ」という名は『鳴りとどろく雷。いかずち。』を意味する「はたたがみ(霹靂神)」に由来するとされる。これはハタハタが産卵のため沿岸に押し寄せてくる11~12月頃は雪が降る前に雷が成ることが多いからだそうだ。別名でも「カミナリウオ」とも呼ばれ、ハタハタを漢字では魚偏に雷で「鱩」とも書く。
島根県や鳥取県など山陰地方では「シロハタ」または「シラハタ」と呼ぶ。
秋田県沿岸ではかつては大量に漁獲され、江戸時代からハタハタを使ったしょっつる(塩汁)と呼ばれる魚醤の原料にされてきた。
◆ハタハタの生態
ハタハタはオホーツク海から島根県あたりから北の日本海、北海道の太平洋沿岸に分布し、水深500m以浅の砂泥底で日中は砂泥に体を潜らせ目を出した状態で休み、夜間小さな動物を捕食し生息している。
広範囲を回遊し、生息海域によって大きく3つのグループに分かれていることがDNAの解析などにより判明しているようだ。寿命は5年程と見られている。
産卵時期は秋田県沿岸で11~12月で、浅瀬に大挙して群がり、岩礁に生えるホンダワラ類などの海藻に産卵する。卵は粘質に包まれそのまま丸い卵塊となり、時には海岸に大量に打ち上げられることもある。この卵塊は茶色や赤っぽいものが多いが個体によっては黄色や緑のものもある。
●ハタハタの特徴
ハタハタは体長20cm程で、体形は扁平し頭から3分の1あたりのところが体高が大きくなり、そこから尾に向かってすぼんでいく。砂に潜る性質があり、眼は上向きで、口も極端な受け口になっている。
背ビレは前後2か所に分かれ、臀(しり)ビレは肛門から尾の付け根まで幅広く続く。体の大きさに対し胸ビレが大きいのが特徴。
体表に歯ウロコがなく、体色は背が黄褐色に褐色のまだら模様がついていて腹側は銀から金色に光っている。
また、冬に秋田県や北海道で漁獲される季節ハタハタはブリコと呼ばれる卵を持っているものが多く、兵庫県辺りで獲れるものよりも一回り大きい。
卵巣は個体によって色が様々違っているのも面白い。
■ハタハタの産地と旬
●ハタハタの主な産地は
ハタハタは秋田県の名産として知られ、秋田県の県魚にもなっている。
平成27年のハタハタ漁獲量は兵庫県がトップで2608トン、次いで鳥取県、秋田県は3位となっている。
かつては大量に獲れたハタハタが一時は極端に獲れなくなり、1992(平成4)年から1995(平成7)年の3年間秋田県では全面禁漁とされた他、1999(平成11)年以降は新潟県や青森県なども含め全長15cm未満の物は獲らない等資源保護策が講じられている。
●ハタハタの旬 秋田と鳥取の旬の違い
秋田の漁期は11月末から1月にかけてで、「季節ハタハタ」と呼ばれブリコ(ハタハタの卵)を持っている雌が珍重され旬となる。
一方、鳥取など山陰では漁期が9月から翌年5月あたりまでで、産卵には参加しない魚群のため身に脂が多く「シロハタ」と呼ばれ、特に3月から5月が美味しい旬とされている。
地域 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ハタハタ(ブリコ) | ||||||||||||
ハタハタ(シロハタ) |