ホッコクアカエビ(甘えび):生態や特徴と産地や旬

ホッコクアカエビ あまえび 甘海老 北国赤海老

●ホッコクアカエビの生態や特徴

◆ホッコクアカエビとは

分類:ホンエビ上目 > 十脚目 > 抱卵亜目 > コエビ下目 > タラバエビ上科 > タラバエビ科 > タラバエビ属(日本海洋データセンターより)

学名:Pandalus eous Makarov, 1935

和名:ほっこくあかえび/北国赤蝦

英名:Alaskan pink shrimp

別名:アマエビ(甘海老)、ナンバンエビ(南蛮海老)

 一般に「甘えび」と呼ばれているのは正式な和名では「ホッコクアカエビ」というエビをさす。この「ホッコクアカエビ」は通称ボタン海老と呼ばれている「トヤマエビ」や本来の「ボタンエビ」などと同じタラバエビ科タラバエビ属の一種で、北海道から北陸にかけて沢山獲れ、主に刺身で食べる海老として人気がある。

 生で食べるととろけるような甘みがあり、この事から広く一般的に「アマエビ」と呼ばれる所以になっている。新潟をはじめ国内の主産地である日本海沿岸では「ナンバンエビ(南蛮海老)」もしくは単に「ナンバン(南蛮)」と呼ばれるが、「南蛮」とは唐辛子を意味し、その色や形が唐辛子に似ていることに因む。

◆ホッコクアカエビの生態

 ホッコクアカエビは水深150~500mという深い海底の泥底に多く生息し底生の小動物や動物の死骸などの有機物を食べている。

 生態はまだはっきりとは解っていないようで、「原色二本大型甲殻類図鑑」によると寿命4年と書かれているが、貞力 勉氏の研究により実際には11年ほど生きることが解っているようだ。

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 「原色二本大型甲殻類図鑑」によると日本近海での分布は富山湾から北海沿岸、朝鮮半島東岸・オホーツク海・ベーリング海~カナダ西岸・グリーンランド~カナダ東岸に分布すると書かれている。ただ、近年、北大西洋のものは分類上「ホンホッコクアカエビ」という別種として扱われている。

 春から夏にかけて南の方から産卵期に入り、日本海のものは一年おきにしか産卵しなことがわかっている。卵は直径1mm前後の青みを帯びた球形で、一度の産卵で2000-3000個を産み、産んだ後約10ヶ月もの間メスは受精卵を腹に抱えて孵化するまで保護し、翌年の冬に放出する。

◆ホッコクアカエビのオスとメス

 ホッコクアカエビ(アマエビ)はタラバエビ科のエビと同様、成長の過程で性転換をする雄性先熟で、産まれて3年程はオスもメスも無く、4年目から5年目にかけて全てオスとなり交尾に参加する。その後5~6年でメスに性転換し、7年目で孵化直前の抱卵状態となる。寿命は11年ほどとみられ、その間に3回以上産卵すると考えられている。(「日本海能登半島近海産ホッコクアカエビの成長ー貞力 勉 著」より)

 この、5年目位の性転換をする時のオスが最も美味しい時期だと言われており、大きい物は全てメスという事になるのだが、同じ時期に獲っても抱卵している物としていないものがある。これは先に述べたように、一年おきの産卵である為である。

◆ホッコクアカエビの特徴

 ホッコクアカエビは体長10~13cmで上から見ると頭胸甲から腹節まで一様にスリムなエビで、体色は透明感のある鮮やかな赤色をしている。この形と色が南蛮海老という地方名の由来になっている。

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 額角は頭胸甲長の1.5倍よりも長く上縁に12~16歯(うち3~4歯は甲上)、下縁に6~9歯(写真の個体は11歯)あり少し上向きに反っている。

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 第3腹節は背面の一部が側扁し、かつ隆起し小突起となっている。写真では分からないが、第2胸脚は左側が著しく長く、腕節は左がおよそ58、右が25~27となっている。

 

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 第二腹節の側面は他の節のそれよりも幅が広く両隣の腹節にかぶさる形になっている。

●ホッコクアカエビの主な産地と旬

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◆主な産地と漁獲量

 ホッコクアカエビの主な産地は北海道で全国の7割程を占める。主に西側の日本海沿岸や大和堆で漁獲される。

 その他、石川県から新潟県にかけて、兵庫県など北陸から山陰にかけても漁獲されている。

 「平成 29(2017)年度ホッコクアカエビ日本海系群の資源評価(水産庁)」によると、『本州沿岸の漁獲量は1982年の4,155トンをピークに減少し、1991年に最低(1,404 トン)となった後、増減を伴いながら緩やかに回復し2016年の漁獲量は2,693トン(暫定値)であった。府県別では、兵庫県の漁獲量が2015年から倍増し、最も漁獲量の多かった石川県と合わせて、全漁獲量のおよそ60%を占めた。』となっている。

 現在グリーンランドやアイスランドなど北大西洋で獲られた物が冷凍で大量に輸入されている。これらも「アマエビ」として市場に流通しているが、厳密には、これらは「ホンホッコクアカエビ」と呼ばれる別種とされてる。

  主な漁獲方法にはエビカゴと底引き網があるが、エビカゴで獲られた物の多くは獲ってから港まで船の生け簀に入れられ、鮮度もよく値段が高い。一方、底引き網で獲れたものは、他の魚なども一緒に混じって獲れる事もあり、鮮度や品質が落ちる為、エビカゴ物に比べると格段に安くなる。

◆ホッコクアカエビの漁獲時期と旬

 ホッコクアカエビはほぼ通年漁獲があり市場に出荷されている。美味しい旬の時期については諸説あり、晩秋から冬にかけての、海水温度が下がる時期という説の他、富山や新潟、石川などの北陸地方では7月8月の休漁期以外通年水揚げがあり、休漁明けの9月上旬から10月も旬とされている。更に北海道では、流氷が離れる3月に一斉に漁が解禁となり、水揚げがピークとなる5月は最も実入りが良く、美味となると紹介されている。このように産地によっても違っていたりするので一概にいつとは言えない。

 ちなみに撮影したものは6月中旬に仕入れた北海道産のものだが実入りもよくとてもいい状態だった。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
北海道                        
石川・富山・新潟など北陸                        

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