ウバガイ/姥貝/ホッキガイ/北寄貝:生態や特徴と産地と旬
●ウバガイの生態や特徴
◆ウバガイとは
分類:軟体動物門 - 二枚貝綱 - 異歯亜綱 - マルスダレガイ目 - Mactroidea上科 - バカガイ科 - Spisula(ウバガイ)属(日本海洋データセンターより)
学名:Spisula sachalinensis (Schrenck, 1862)
和名:ウバガイ/姥貝
英名:Sakhalin surf clam
別名:ホッキガイ/北寄貝
一般にホッキガイ/北寄貝と呼ばれることの方が多いが、本来の標準和名はウバガイ/姥貝で、バカガイ科ウバガイ属のやや大型の二枚貝である。
◆名前の由来
名前の由来は、標準和名の「ウバガイ/姥貝」は、この貝の寿命が30年以上と言われ長生きすることから『年老いた女』を意味する姥(うば)が付けられたとされている。一般的に呼ばれるようになった「ホッキガイ/北寄貝」には諸説あり、アイヌ語の「ポクセイ」というこの貝をさす言葉が語源とする説がもっとも説得力があるように思う。漢字は北海道ではよくある単なる当て字で、北の地で獲れることからと思われる。
◆ウバガイ/ホッキガイの生態
ウバガイ/ほっき貝は日本海側では富山県以北、太平洋側は茨城県以北の沿岸からシベリアにかけての冷たい海域に分布し、内海には棲まず、外海に面した潮間帯から水深30mまでの砂地に多く生息し、近縁種はカナダや南半球のペルーなどにも生息し、輸入もされている。
産卵期は棲息地によって多少ずれはあるが、春から夏である。
◆成長が遅く長生きする貝
ホッキ貝も当然ですが成長とともに大きくなり、食べ頃サイズとなるが、成長がとても遅く、食べ頃の7~8cmに育つまで4~6年もかかるようだ。市場に出荷されるホッキ貝が10cm程のものばかりだが、これは各産地とも資源管理型の漁業を行っており、苫小牧では殻長9cm以上、福島県や青森県など他の産地でも7~8cm以上を漁獲対象とし、それより小さいものは海に戻されているからである。寿命はとても長く、30年以上のものもいると考えられている。
◆ウバガイ/ホッキガイの特徴
ホッキ貝は殻長が約9cm~15cmでやや丸みのある三角錐の形をしている。殻の表面の色は薄い茶色のものから黒いものまであり、傾向として、福島県沖で獲れるものは薄い茶色のものが多く、北海道沿岸では黒いものが多いけいこうにある。この色の違いは生息する場所の砂に含まれる有機物の量などによると考えられている。黒いタイプはジャンボなシジミのようにも見える。
食べるのは足の部分と貝柱、ヒモの部分で、基本的にはワタは食べない。近年は回転ずしでもネタとして登場し、身近な貝になりつつある。生でも食べられるが、さっと湯通しすることで黒っぽい足の先が赤く発色し甘味が強くなる。
●ホッキガイ(北寄貝)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ホッキ貝の主な産地は北海道と福島県、青森県だったが、原発事故以来福島県沖では操業が自粛され、現在は2016年6月から再開された試験操業による漁獲しかなく、ほとんどが地元で消費されている。またその他の地方でも20数年前から徐々に減る傾向にあり、各産地で漁獲量や漁獲サイズ、期間などを設けて資源管理しながらの漁獲が行われている。
北海道では、苫小牧市が多く、平成14年に「苫小牧市の貝」にも制定されている。苫小牧市の農業水産課が全国の2015年水産統計(確定値)を基にホッキ漁を行っている北海道と青森県の漁獲量集計によると、総合で5959トンのうち、苫小牧は685トンで全体の約11.5%を占め、16年連続全国一の水揚げ量となったそうだ。その他の産地では根室の別海町が464トン、青森県の三沢市が441トンとなっている。(※苫小牧民報 1/24(火) より)
◆ホッキガイ(北寄貝)の漁獲時期と旬
ほっき貝はジェット噴射による貝けた網漁法や素潜りによって漁獲され、資源保護をしながらの漁獲で、各漁協ごとに漁期が決められ、産卵期の初夏から夏にかけては禁漁となっている。
ホッキ貝が美味しい旬は冬から春にかけてとなる。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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苫小牧(北海道) | ||||||||||||
別海漁協(北海道) | ||||||||||||
野付漁協(北海道) | ||||||||||||
三沢(青森県) | ||||||||||||
相馬(福島県) |