ビワマス/びわます/琵琶鱒:さばき方と腹子の漬け方
ビワマスを三枚におろす手順を工程ごとに写真で分かりやすく解説している。皮の引き方も紹介してる。また、ビワマスの腹子(卵)の醤油漬けの簡単な作り方も載せているので参考にどうぞ。
●ビワマスを「大名おろし」で三枚におろす
基本的におろし方はサーモンと同じ。身が柔らかく割れやすいので通常は大名おろしにする。
◆うろこを落とす
包丁の刃先でウロコを綺麗にこすり落とし、水で洗い流す。背ビレや臀(しり)ビレの付け根辺りも綺麗に落とす。
◆頭と内臓を取り除く
ビワマスのの頭を左手、腹を手前にして置き、胸ビレの右付け根から包丁を入れ、エラの右側を通り頭の付け根へ刃先をまっすぐ下に向けて切り付け、そのまま背骨を断ち頭部を切り落とす。
肛門から刃先を入れ頭部の切断面に向け腹を切り開く。
腹から内臓を取り出す。
腹を開いて、背骨のところにある血合いの膜を切り開く。
嬉しいことに、この個体の卵巣にはまだ皮は柔らかめだが卵があった。
腹の中を綺麗に洗う。身が柔らかいので優しく丁寧に扱うこと。
洗いあがったら体表と腹の中の水気を綺麗にふき取る。
◆三枚におろす
ビワマスは大名おろしにする。東部の切断面を右手、腹を手前にして置き、腹の身を切ってしまわないよう軽く持ち上げながら頭部の切断面から背骨と中骨に沿って包丁を滑らせるように切り込んでいく。
背ビレのところで、骨側に厚く身を残すようなことが無くちゃんと背ビレの上を刃先が通っているか確認しながら切り進め、そのまま尾の付け根まで身をおろす。
これで片身がおろせた状態。
反対側の身も同じようにおろす。
腹の身を持ち上げ、中骨と背骨に沿って尾の付け根まで一気におろす。
これで三枚になった。
◆身を整え、フィレ状にする
腹骨に沿って薄く包丁を入れ、腹骨をそぎ落とす。
腹ビレと共にハラスを切り落とす。
腹骨とハラスを切り離した状態。ハラスはみそ汁や塩焼きなどにするとある意味身そのものより旨いので間違っても捨てないこと。
指先でなぞれば小骨がどこにあるかわかるので、骨抜きを使って一本ずつ抜いていく。
皮を引く場合は、尾の付け根の皮を少しはがし、その皮の端を手でつまんで引っ張るような感じで、身と皮の間に包丁を入れ、刃先の平らな面がまな板と平行になるイメージで少しずつ小刻みに刃先を動かして皮を引いていく。
皮も美味しく食べられる。
●ビワマスの卵をイクラのように醤油漬けにする
ビワマスの卵はなかなか食べる機会に巡り合えるものではない。もし、腹に子が詰まっていたらイクラのように醤油漬けにするのがお勧め。簡単な作り方を紹介しておく。
今回入手したビワマスから取り出した1匹分の腹子。
40~45度位のお湯の中に浸けて5~10分おく。
卵嚢膜(らんのうまく)が白くなり縮んで破れてくる。
湯温が下がっているはずなので、少し熱めのお湯を注ぎたしてから、指先で卵をほぐしていく。
秋口位のものなら卵の表皮がしっかりしているので多少荒っぽく粗めの金網などにこすりつけてほぐしても潰れないが、夏のものはまだ柔らかく潰れやすいので優しくほぐす。
ある程度ほぐれたら一度湯を捨て、新しくまた同じ温度の湯の中に入れ、ホイッパーなどでやさしくかき混ぜて卵に絡みついている白いムラムラを浮かせ、その湯を捨てる。
それを3回くらい繰り返し、白いムラムラが出なくなったらザルにあげ、室温まで冷ます。
卵が冷めたら器に移し、漬け汁(醤油3:酒1:みりん1:昆布適量)をひたひたに浸かるところまで注いでラップをかけ、冷蔵庫で一晩寝かせればできあがり。
艶っつやの卵。いくらより少し粒が小さく色も薄いが、味は非常に旨く、鮮度が良いと生臭みなどは全くない。