アオダイ(青鯛):生態や特徴と産地や旬
●アオダイの生態や特徴
◆アオダイとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > フエダイ科 > アオダイ属(日本海洋データセンターより)
学名:Paracaesio caerulea (Katayama, 1934)
和名:あおだい/青鯛
英名:Japanese snapper
別名:シチューマチ(沖縄)、アオゼ(伊豆諸島)、ウメイロ(高知県)、ホタ(鹿児島)
アオダイは「ウメイロ」、「シマアイダイ」、「ヨゴレアオダイ」、「ヤンバルシマアオダイ」などと共にフエダイ科アオダイ属を構成する一種。
主に南日本で漁獲される暖海性の魚で、体色が上半身が青い事から伊豆諸島辺りでは「アオゼ」と呼ばれている。また、高知辺りでは近縁種のウメイロとあまり区別せず「ウメイロ」と呼ぶ。沖縄では「シチューマチ」と呼び高級魚として扱われている。
東京をはじめ関東へは主に伊豆諸島から出荷され、美味しい白身魚として知られており、高鮮度のものは飲食店向けに高級魚と卸されている。
◆アオダイの生態
アオダイは水深100よりも深い岩礁域に生息し、甲殻類や小魚などを捕食している。
産卵期は伊豆諸島では6~9月で、満3年で産卵が始まり、直径0.8mm前後の球形の浮性卵を産出する。(※東京都島しょ農林水産総合センター ホームページより)
「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は伊豆諸島、小笠原諸島、神奈川県三崎、土佐湾、屋久島、琉球列島、南大東島とされ、海外においては台湾、東沙群島で確認されている。
◆アオダイの特徴
アオダイは標準体長50cmほどになる。写真のものは京都市中央卸売市場のシーフーズ大谷さんで仕入れた鹿児島県産1.1kg全長40cmほどのもの。
「~ダイ」と名に付くように側扁した鯛型だがやや体高に対して体長が長め。背ビレは10棘条10軟条からなり前後に大きな欠刻はなく、尾ビレの後縁は湾入するが深くは二叉はしない。
体色は体側上半が青から青紫で特に生時は鮮やかで濃い青色をしている。腹側は青みがかった銀色で、背ビレと尾ビレは黄褐色。
近縁種のヤンバルシマアオダイやシマアオダイとは体側に黄褐色の横縞模様があるかないかで見分けられる。また、シマアオダイとは主上顎骨にウロコがない事と後頭部もシマアオダイのように膨出しないことで見分けられる。
ウメイロとは体側背側が一様に青いアオダイと黄色いウメイロで見分けられるほか、ウメイロは尾ビレが深く二叉しているので違いが判る。
●アオダイの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
アオダイの主な産地は南日本の沖縄県をはじめ鹿児島県や伊豆諸島の八丈島あたりで、一本釣りや延縄などで漁獲される。
漁獲量は少なく、高級魚として扱われている。
◆アオダイの漁獲時期と旬
アオダイは暖かい海の魚という事もあり、年間を通してあまり身質が変わらない魚のようだ。市場では初夏頃から秋にかけて比較的多くみられ、鹿児島などの産地では夏から秋にかけてが旬とする声が多い。
ただ、産卵期は夏なので春辺りが良さそうにも思えるが夏の方が餌も多くなり美味しくなるという事かもしれない。この手の魚はあまり時期を気にせず、良い状態のものが入荷したら買いという事かもしれない。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アオダイ |