マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ:生態や特徴と産地や旬

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

●マハゼの生態や特徴

◆マハゼとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > ハゼ亜目 > ハゼ科 > ゴビオネルス亜科 > マハゼ属(日本海洋データセンターより)

学名:Acanthogobius flavimanus(Temminck & Schlegel, 1845)

和名:まはぜ/真櫨/真沙魚/真沙魚

英名:Spiny goby,Yellowfin goby

別名:単にハゼ、カジカ、カワギス、カワハゼ、グズ、デキハゼ、フユハゼ、カマゴツ、ゴズ

 ハゼ科は日本だけでも100属以上500種近くいるとされ、世界に至ってはなんと2000種を超えるといわれている多様な種属である。その中にあってマハゼは「真」が付けられる代表種となっている。

 学名の属名”Acanthogobius”はギリシャ語の”akantha”=棘のある と ”Gobius”=ハゼ からなり、種小名”flavimanus”はラテン語で黄色い手を意味する言葉に由来する。

 かつては日本全国に普通にみられ、古くから食用として親しまれてきた魚で、江戸前の天ぷら種には欠かせないとされていたりもする。しかし、今では獲れるところや数も減り、安い魚ではなくなってきている。

 全国各地で親しまれてきただけに、地方によってカワギス、カワハゼ、グズ、デキハゼ、フユハゼ、カマゴツ、ゴズなどさまざまな呼称が付けられている。

◆マハゼの生態

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

 マハゼは日本をはじめ亜熱帯から温帯域の東アジアに広く分布する種だが、船舶のバラスト水などに紛れて運ばれ、アメリカのカリフォルニア湾でもその生息が確認されるようになっている。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は津軽海峡〜屋久島の太平洋沿岸、瀬戸内海、北海道小樽〜鹿児島県枕崎の日本海・東シナ海沿岸(有明海を含む)とされ、海外では朝鮮半島の西岸・南岸、河北省、山東省、海南島、ピーター大帝湾(稀)、シドニー湾(移入)、カリフォルニア(移入)となっている。

 主に水流の早くない内湾の河口域の砂泥地に生息し、若魚は汽水域にも侵入する。主にゴカイなどの多毛類や貝類、小魚などを捕食するが藻類も食べる雑食性である。

 産卵期は生息地によってずれがあるようだが、初春から初夏にかけてのようで、砂泥底に出入り口が2か所あるY字型の巣穴を作り、その中で産卵する。産卵後は孵化するまで雄が巣穴を守る。寿命は1~3年。

◆マハゼの特徴

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

 マハゼの標準体長は20cmほどで、大きいものだと全長25cmにもなり、ハゼ科の中では大きい部類だ。

 体形はあまり側扁せず円筒形に近く、細長い。

 背ビレは前後2基に分かれ尾ビレは後縁が丸い扇状。特徴的なのは左右の腹ビレが一体化し吸盤状になっていること。

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

 体色は背側は淡黄褐色で腹は白く、体色には不規則な暗色斑紋がある。

 背ビレと尾ビレには淡黄色の地に黒い斑紋がきれいに並んでいる。臀ビレは黄色味を帯び下縁が帯状に黒い。

●マハゼの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 主な産地は松島湾、東京湾、浜名湖、伊勢湾など。

◆マハゼの漁獲時期と旬

 マハゼはほぼ通年漁獲される。産卵期は初春から初夏にかけてで、身が充実して美味しいのは秋から冬にかけてとなる。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
マハゼ                        

●マハゼの目利きと調理のポイント

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

◆活け物かそうでなければ硬い物

 マハゼは活け物も市場に入ってくる。値は高いが間違いはない。そうでなければ、まだ体が硬く硬直しているくらいのものがいい。

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

◆全体に艶があり、眼が澄んでいるもの

 体表を覆うぬめりに透明感がありつやつやしているもの、眼に透明感と張りがあり綺麗なものが新鮮。

◆調理のポイント

 マハゼは活け物であれば生食もできる。古くから総菜魚としての他、江戸前天ぷらの種として親しまれてきた魚で、身はクセのない上品な白身。

●マハゼの美味しい食べ方と料理

◆マハゼの天ぷら

 天ぷらはマハゼ料理の王道だ。江戸前の天ぷら種でもお馴染み。サクッとした衣とふっくらとした身の食感もよく、とても美味。天ぷらにする場合はキスのように開いて骨は取り除いた方がいい。

◆マハゼの唐揚げ

マハゼ/真櫨/真沙魚/まはぜ

 唐揚げにしても美味しい。二度揚げすることで骨まで食べられる。

◆マハゼの刺身

 活け物であれば刺身も試してみたい。小さな魚なのでさばくのは面倒だが、透明感のある白身はそれだけの価値があるといわれている。

◆マハゼの佃煮や甘露煮

 古くからつくだ煮や甘露煮にされ、広く惣菜の一品として食べられてきた魚のひとつだ。つくだ煮や甘露煮は丸ごと煮て、頭も骨も食べることができる。

◆マハゼの干物

 姿のまま丸干ししたものを焼いて食べる。

◆ハゼの焼き干し

 宮城県の郷土料理の一つに、ハゼの焼き干しという保存食がある。これはマハゼの内臓を取り除いてから炙り焼きにしたものを天日干ししたもので、伝統的な雑煮はこれで出汁を取るという。

◆ハゼを使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトのハゼを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

クックパッド レシピブログ 楽天レシピ

 
 

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