アルゼンチンアカエビ:生態や特徴と産地や旬
●アルゼンチンアカエビの生態や特徴
◆アルゼンチンアカエビとは
分類:ホンエビ上目 > 十脚目 > 根鰓亜目 > クルマエビ上科 > クダヒゲエビ科 > ヒメクダヒゲエビ属(日本海洋データセンターより)
学名:Pleoticus muelleri (Bate, 1888)、Hymenopenaeus muelleri (Bate, 1888)
和名:アルゼンチンアカエビ
英名:Argentine red shrimp
別名:単にアカエビ/赤えび
アルゼンチンアカエビはクダヒゲエビ科ヒメクダヒゲエビ属の中型エビで、その名の通りアルゼンチンで多く獲れ日本へも冷凍されたものが大量に輸入されている。
輸入冷凍エビと言えばブラックタイガーをはじめバナメイエビなどが良く知られているが、これらが東南アジアなどで養殖されたものであるのに対し、アルゼンチンアカエビは天然物を漁獲したもので、鮮度保持のため船上で選別され急速冷凍されている。
綺麗な海で獲れることと、この急速冷凍によって刺身で美味しく食べられる手頃な価格のエビという事で回転ずしなどでも使われるようになり、それに合わせるようにアルゼンチンでの漁獲量もどんどん増え、2010年頃には日本の市場に広く流通するようになり、スーパーでも解凍されたものが刺身用としてパック詰めされたものが並ぶようになった。
スーパーでもそうだが、地元で獲れた魚を売っている市場などでもこのエビが「刺身用赤えび」として地獲れのエビと一緒に並べられているのをよく目にする。
◆アルゼンチンアカエビの生態
アルゼンチンアカエビは主にアルゼンチン南部の大西洋に分布し、クダヒゲエビ科としては例外的に比較的浅い水深5~100mに生息し、時におびただしい数の群れを作るそうだ。
成長が早く、1年で漁獲サイズになるという。
◆アルゼンチンアカエビの特徴
大きさは体長20cmほどで、ホッコクアカエビ(甘海老)のような赤色ではなく全体にオレンジ色に近い赤色で殻は透明感があり薄く柔らかい。
額角は短めで下縁はほぼ水平で歯がなく、上縁はわずかに中央辺りから先端に向けて下方に曲がり、7~13の歯が付いている。
◆アルゼンチンアカエビの栄養
アルゼンチンアカエビは殻の色が赤いエビで、加熱調理すると身も表面が赤くなる。これはアスタキサンチンというカロテノイドによるもので、ブラックタイガーの約2倍、バナメイエビの約3倍も含まれているのだそうだ。(ニッスイ ホームページより)
アスタキサンチンには老化の原因になる活性酸素を抑制する働きがあると言われている。
●アルゼンチンアカエビの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
アルゼンチンアカエビは国内には生息していないエビで、すべて冷凍されたものを輸入している。
アルゼンチンでは2009年では5万3千トンほどだった水揚げ量が年々増加し2018年にはなんと24万4千トンにも及んでいる。
2017年の日本の輸入量は2万1千トンあまりとなっている。