アサヒガニ:目利きと料理
アサヒガニを選ぶ際のポイント、目利きや雄と雌の見分け方、さばき方をはじめ、美味しい食べ方と調理方法、主な料理、料理レシピなどを沢山の写真と共に紹介します。
●アサヒガニの目利きのポイント
◆生きているものを選ぶ
カニ類は死んでしまうとその時点から自己消化を始めてしまい一気に鮮度が落ちていきます。
そのため、基本的には生きていることが前提となります。
◆重い物を選ぶ
手に持った時にずっしりと重みが感じられるものを選びましょう。
軽く感じるものは身が痩せてスカスカかもしれません。また、大きい物の方が可食部が多く食べ応えがあります。
◆国産物と輸入もの
アサヒガニは冷凍されたものだけでなく、活きた状態でも輸入されています。価格は国産のものより安いですが、味的には違いがないようなので国産へのこだわりがなければお買い得かもしれません。
◆雄と雌 あなたはどっち派?
アサヒガニはオスの方が大きくなりますが、大きなメスと小ぶりの雄は同じくらいの大きさです。身の部分で言えばやはり雄の方が詰まっています。
サイズが同じであれば内子や外子を持つ雌の方が良いという方も多いと思います。抱卵しているものの場合、卵の粒が小さくオレンジ色が濃い物の方が抱卵し始めて間がないもので、内子もまだ残っていると思います。
●アサヒガニの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
アサヒガニは脚は小さく、食べられる身は極わずかしかありませんが、胴(肩)の部分には思いのほかたくさん身が詰まっています。
甲羅は硬いですが、肩の部分の中にある仕切り状の薄い殻は柔らかいです。身はほんのり甘く、とても美味しいです。
また、ミソはズワイガニとは違った風味があり、コクがあるのにべたつかずあっさりした感じで美味しいです。
ゆでる、蒸す、焼く、煮る、揚げるなど色々な食べ方が楽しめます。
◆アサヒガニの刺身と炙り
アサヒガニの脚の付け根と殻をつないでいる膜をハサミで切り、肩の部分から足を動かしている身の部分を一本一本外して刺身にしたもの。
生のままではほんのり甘味は感じられますが、やや水っぽく物足りない感じ。
そこで、バーナーで炙ってみました。
炙ることで香ばしさが加わり、水っぽさもなくなって身の甘みが引き立ち、なまよりもずっとおいしくなりました。
ただ、肩から身を綺麗に外すのはとても大変。
◆アサヒガニ(雄)のゆでがに
雄の大きなアサヒガニを塩ゆでして半割にしたもの。
身がびっしりと付いているのがよくわかります。ミソもコクがあって美味しい。
肩の身をほぐすのはちょっと面倒ですが、殻の中に取り出した身の部分を盛り付けるとこんな感じになります。結構ボリュームがあります。
塩ゆでした身はポン酢やかに素などに浸けながら食べたり、甲羅にミソを酒で伸ばしカニ身を加えてカニミソ焼きにしても美味。
◆内子が詰まったアサヒガニ(雌)の塩ゆで
雌のアサヒガニは時期によっては外子や内子が詰まっています。内子は濃厚なコクがあり格別です。
写真の赤く映っている部分が内子です。また、外子は醤油などで味付けして食べた方が良いかも。
色が奇麗なので、ハカマからナイフなどでこそぎ取り、ソースやドレッシングに加えて使うという方法もあります。
◆アサヒガニのグリル
生きているアサヒガニを包丁で真っ二つに切り、塩を振って焼き上げたもの。
焼くと殻の香ばしい香りが身にも移り、甘みが一段と増してとても美味しい。この食べ方が一番おいしい食べ方かもしれない。
◆アサヒガニとアボカド、トマトのサラダ
塩ゆでしたアサヒガニの身をほぐし、アボカドとトマトの上に盛り付けてドレッシングをかけたもの。
カニの身とアボカドやトマトとの相性は抜群で豪華なサラダになりました。
◆アサヒガニのマカロニグラタン
ほぐしたアサヒガニの身とミソを生クリームでソースにし、茹でたマカロニと合わせてグラタンにしたもの。
カニミソと生クリームが濃厚な味わいで、とても贅沢なグラタンが味わえました。
◆アサヒガニのトマトクリームソース リングイネ
活けアサヒガニを使い、トマトクリームソースのリングイネにしたもの。
アサヒガニの身から出る旨味とカニミソが良い仕事をしていてそこら辺の店では食べられない贅沢な美味しいパスタに仕上がりました。
ただ、カニの身はとても食べにくくなります。
◆アサヒガニと八角のトマト煮
活けアサヒガニと八角、ベビーホタテをニンニクを効かせながらさっと炒め、ブランデーでフランベしてから白ワインを注いで軽く煮詰め、そこにホールトマトを加えてで煮たもの。
魚介の旨味がたっぷり染み出したトマトスープになり、アサヒガニの身もトマトソースとよくあって美味しかった。ただ、やはり食べにくさは否めない。
◆アサヒガニとタコのスパゲッティ
塩ゆでしてほぐしたアサヒガニとタコをニンニクを効かせながらたっぷりのオリーブ油で軽く炒め、茹でた小松菜とスパゲッティーを加え、カニミソをトッピングしたもの。
ガーリックオイルソースなのにカニの赤い色が染み出してトマトソースのような色に仕上がった。カニはほぐしてあるのでとても食べやすく、ミソを混ぜて食べるとアサヒガニの濃厚な旨味と香が広がり絶品。
◆アサヒガニのサラダ
塩ゆでしてほぐしたアサヒガニに塩胡椒、カボス果汁とEVオリーブ油で和えたサラダ。
カニを茹でて身をほぐすのはとても面倒ですが、食べるとすごく美味しくて一瞬でなくなります。
◆アサヒガニの唐揚げ
そして最後は台湾や沖縄で屋台料理として人気があるアサヒガニの唐揚げ。この食べ方、食べにくさは否めませんが、このカニの一番おいしい食べ方かもしれません。
生きているアサヒガニを使い、甲羅を外してエラを取り除き、身をぶつ切りにして塩胡椒を振り、片栗粉をまぶして唐揚げにします。
油を敷いて熱した中華鍋にカニミソを入れてさっと炒め、そこにネギなどの野菜を加え炒め合わせます。
野菜に火が通ったら揚げたカニを加え、オイスターソースと酒を加え、仕上げにごま油を加え炒め合わせて出来上がり。
カニミソを炒めるタイミングで豆板醤かコチジャンを加えても美味しいです。