ツメタガイ/ツメタ貝:特徴や産地と旬

ツメタガイ/ツメタ貝

■ツメタガイの生態や特徴

●ツメタガイとは

分類: 動物界 - 軟体動物門 - 腹足綱 - 直腹足亜綱 - 新生腹足上目 - 吸腔目 - 高腹足亜目 - タマキビガイ下目 - タマガイ上科 - タマガイ科 - ツメタガイ属 (JODC Datasetより)

学名:Glossaulax didyma (Röding, 1798)

英語:Bladder Moon shell

別名:イチゴガイ(関東)、ウンネ(愛知県)

ツメタガイ/ツメタ貝

ツメタガイが一般のスーパーなどで売られている事はほぼ無いと言っていいでしょう。その為知らない人の方が多いと思いますが、潮干狩りに行った事がある人は見た事があるかもしれません。

潮干狩りに行くと、アサリなどの殻が浜に沢山ありますが、よく見ると小さな穴が開いているものがあると思います。それはこのツメタガイに襲われ食べられてしまったものです。ツメタガイはアサリなどの貝を捕まえ、殻に2㎜程の小さな穴を開けて中の身を食べてしまいます。その為浜の嫌われ者的な存在なんです。

東アジアから南アジアにわたって広く生息し、日本では北海道南部あたりから沖縄まで全国にわたり、潮間帯から水深19cm~50cm程の砂浜や干潟で見られます。

ツメタガイにはこの「ツメタガイ」の他にも「ハナツメタガイ」や「サキグロタマツメタガイ」などいくつかの種類があり、それらの総称的にツメタガイと呼ばれています。

●ツメタガイの特徴

ツメタガイ/ツメタ貝

大きさは直径5cm程になる巻き貝で、水の中では柔らかい体をマントのように広げ、意外に素早く動きます。

殻の色は上部がヨーロッパのマロンクリームのような色で、底は白井です。殻は比較的薄く、渦巻き模様の半円形の蓋もあります。

●ツメタガイの食味

ツメタガイ/ツメタ貝

一般には食用としての認知度がかなり低い貝ですが、地方によっては食用とされてきました。

加熱調理すると肉質がかなり固く締り、歯応えがかなりあります。しかし煮付けなどにするとクセや臭みはほとんど気にならず、意外に味も染みて美味しいです。ワタの部分も鶏肝のような味が楽しめました。

■ツメタガイの主な産地と旬

●主な産地

三重県や愛知県、千葉県など、アサリの産地と同じところで獲れます。ただ、これを狙った漁が行われている訳ではなく、副産物として水揚げされる程度です。

●ツメタガイが美味しい旬は

産卵期が初夏5~6月頃とされ、身が充実するのは冬から春にかけてとなりますが、実際に見かけるのはアサリの漁期となる春3~5月です。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ツメタガイ                        

 
 

UP