シマセトダイ:生態や特徴と産地や旬
●シマセトダイの生態や特徴
◆シマセトダイとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > イサキ科 > ヒゲダイ属(日本海洋データセンターより)
学名:Hapalogenys kishinouyei Smith & Pope, 1906
和名:しませとだい/縞瀬戸鯛
英名:Fourstripe grunt(日本) 、Lined javelinfish(オーストラリア、マレーシア、ベトナム)、Striped velvetchin(オーストラリア)
シマセトダイはヒゲソリダイやヒゲダイと同じイサキ科ヒゲダイ属の魚で、漁獲量が極めて少なく市場にはまれにしか出回らないレアな魚種の一つ。
珍しい魚ということで一定の評価がされておらず、味が良い割に安く売られていることが多い。
学名の”Hapalogenys”は『柔らかい』を意味するギリシャ語”hapalos”と『顎(あご)』を意味する”genys”からなり、種小名”kishinouyei”は『岸上氏の』という意味で、日本の魚類学者岸上鎌吉氏に因む。
◆シマセトダイの生態
シマセトダイは青森県以南の太平洋沿岸、九州西岸から種子島、東シナ海大陸棚縁辺域、更に朝鮮半島南岸、台湾、中国上海、ミャンマーに分布し、水深110~284mの砂泥域に生息している。
産卵期は近縁種のセトダイが6~9月にかけてなので同じ時期ではないかと思われる。今回7月下旬に仕入れた写真の個体は腹にそこそこ発達した卵巣が詰まっていた。
◆シマセトダイの特徴
シマセトダイは標準体長30cm程の魚で、写真はちょうどそれ位の大きさの成魚。
体形は側扁し体高が高くタイ型だが、大きさのわりに幅があり身はそれほど薄くない。
背ビレの起部に前方に向けて一本の前向き棘があり、背ビレ軟条と臀(しり)ビレ軟条部はほぼ後方に向けて生えている。
体色は全体に赤味を帯びた茶褐色で体側に数本の暗色縦帯がある。この帯は幼魚で鮮明で、成長するとややぼやけてくる。
ヒゲダイ属に分類されている通り、アゴの部分には痕跡的ではあるがヒゲが見られる。
●シマセトダイの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
主な産地は長崎県や鹿児島県、高知県など南日本に多く、三重県、愛知県などでも水揚げされているようだ。写真のものは京都中央卸売市場で仕入れた長崎県産で、アマダイに紛れて入荷されていた。
漁獲量は極わずかで、ほとんどが産地で消費されていると思われる。
◆シマセトダイの漁獲時期と旬
そもそも出回る量が少なく、旬の時期は不明。今回入手した7月下旬のものは脂は多くはなかったが身質は良く旨みも多い方と感じた。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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シマセトダイ |