ミドリフサアンコウ:生態や特徴と産地や旬
●ミドリフサアンコウの生態や特徴
◆ミドリフサアンコウとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > アンコウ目 > フサアンコウ科 > フサアンコウ属(日本海洋データセンターより)
学名:Chaunax abei Le Danois, 1978
和名:みどりふさかさご/緑房鮟鱇
別名:アカアンコウ
ミドリフサアンコウはフサアンコウ科フサアンコウ属の一種でキアンコウなどのような大きさにはならない小ぶりのアンコウで、見た目の色合いがアンコウらしくなく、漁獲されたときにフグのように膨れていることも多い。
こんな容姿だが味は良いい。しかしまとまった数が取れないことや大きくはならないため市場に出回ることは無く、ほぼ産地で消費される地魚である。もし産地で見つけたらきっと価格はとても安いので買ってみることをお勧めする。
見た目が可愛い?ことから、水族館では人気で、ぬいぐるみが販売されている。また、「さくらふぐ」という名称がつけられた加工食品もあるようだ。
◆ミドリフサアンコウの生態
ミドリフサアンコウは主に南日本から東シナ海の大陸棚にかけて多く、水深75〜508mの海底に生息する。
「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は富山湾、九州北西岸、青森県鮫角、千葉県銚子〜九州南岸の太平洋沿岸、五島列島西岸~魚釣島北部の東シナ海大陸棚縁〜斜面域とされ、更に朝鮮半島南岸や台湾にも分布する。
◆ミドリフサアンコウの特徴
ミドリフサアンコウは標準体長30cmほどで、大きい物でも全長40cmほどにしかならない。(写真のもので全長30cmほど)体形は著しく縦扁しアンコウらしい姿だが、キアンコウやアンコウには誘因突起と背ビレ軟条の間に数本の棘条があるのに対し、フサアンコウ科にはない。
フサアンコウの仲間は同じような赤い体色のものが多く腹側は白色で似ているが、ミドリフサアンコウの背側には緑色の丸い模様が散らばっており、それぞれが黄色く縁どられている野が特徴。
腹びれが1対あり、生時、海底を左右の大きな胸ビレとこの小さな腹びれを使って這うように移動する。
アンコウと同じく肉以外の部分が多いが、身体の半分あたりから後ろに付いている筋肉の部分はこんな感じ。
近縁種のホンフサアンコウとよく似ているが、ホンフサアンコウの体背面の中央辺りと背ビレ軟条起部には大きめの黄色い斑紋があるのに対しミドリフサアンコウにはないこと、また、ホンフサアンコウの背ビレ軟条起部にはくぼみがあるのに対し、ミドリフサアンコウにはないことで区別できる。
●ミドリフサアンコウの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
本種を目的とした漁は行われておらず、メヒカリやニギスなどを目的とした底引き網で混獲されることが多い。
全国の漁獲量は不明だが、獲れる数は少ない。
◆ミドリフサアンコウの漁獲時期と旬
アンコウの一種であることから、旬は晩秋から春ごろまでと思われる。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ミドリフサアンコウ |