カゴカキダイ/かごかきだい:生態や特徴と産地や旬

カゴカキダイ/かごかきだい

●カゴカキダイの生態や特徴

◆カゴカキダイとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > イスズミ科 > Microcanthinae(カゴカキダイ亜科) > カゴカキダイ属(日本海洋データセンターより)

学名:Microcanthus strigatus (Cuvier, 1831)

和名:かごかきだい/駕篭担鯛/ 籠舁鯛

英名:Stripey

別名:キョウゲンバカマ

 カゴカキダイはカゴカキダイ亜科カゴカキダイ属の一種で日本の近海では本種のみが見られる。ここでは日本海洋データセンターに沿い、イスズミ科に分類しているが、文献によってはカゴカキダイ科として独立させている物も多い。

 一見熱帯魚のように見えるが熱帯よりもむしろ温帯域に多い。見た目の可愛さや飼育のしやすさからから食用というよりも観賞魚としての方が認知されているかもしれない。また、釣りでも防波堤などからでも釣れる他、磯釣りでも厄介なエサ取りの雑魚として扱われている。

 ところが、実は食べてみるととても美味しい魚だということはあまり知られていない。市場で見かけることはまれで、ほとんど産地で消費される程度だが、売っていても値が安い魚なので機会があれば是非食べていただきたい。

◆カゴカキダイの生態

カゴカキダイ/かごかきだい

 カゴカキダイは青森県〜九州南岸の各地沿岸(大阪湾は幼魚のみ、瀬戸内海は伊予灘のみ)、琉球列島に分布する。また、海外では朝鮮半島南岸、済州島、台湾、浙江省~広東省、ハワイ諸島、オーストラリア東岸・西岸、ニューカレドニア、ノーフォーク島に見られる。分布域は西太平洋に広がっているが赤道付近の熱帯海域にはあまり見られない。

 幼魚は浅場の藻場や岩礁域に多く、タイドプール(潮だまり)でも見られる。成魚は沿岸の岩礁域やその周辺に群れで生息することが多く、ゴカイなどの多毛類の他小エビなどの甲殻類を捕食する。

 春、4~5月に産卵する。

◆カゴカキダイの特徴

カゴカキダイ/かごかきだい

 カゴカキダイは標準体長20cm程の魚で、体は側扁し体高が高く口は小さい。観賞用の熱帯魚で知られるチョウチョウウオと似ているが、稚魚気にトリクチス期幼生(頭部が硬い骨盤で覆われる幼生)を経ない。

 体色は全体に黄色味を帯びた薄灰色で、体側に5本の黒い縦帯があるのが特徴。

●カゴカキダイの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

カゴカキダイ/かごかきだい

 日本海沿岸でも見られるが、漁獲が多いのは房総半島辺りから九州にかけての太平洋沿岸。と言っても、本種を狙った漁はなく、定置網などで混獲される程度で漁獲量は少なく、そのほとんどが産地で消費されている。

◆カゴカキダイの漁獲時期と旬

 カゴカキダイは通年漁獲されているようだが、産卵期は春で、秋から冬にかけて身に脂がのり美味しくなる。よって旬は秋から冬。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
カゴカキダイ                        

 
 

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