アラ/あら:生態や特徴と産地や旬
●アラの生態や特徴
◆アラとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > ハタ科 > ハタ亜科 > アラ族 > アラ属(日本海洋データセンターより)
学名:Niphon spinosus Cuvier, 1828
和名:あら/漢字は魚遍に荒 𩺊
英名:Ara、Sawedged perch
別名:アラマス、ホタ、オキスズキ
アラはハタ科の中で1属1種に分類される。1mにもなる大型の魚であるが、日本海沿岸では20~50cmの若いものが多く、主に産地で消費されている。底引き網でまとまって獲られた小さなものは安い総菜魚となるが、大型のものはとても味がいいことと数が獲れないことから超高級魚となっている。
九州では「アラ」というとクエを指すことが多く、いずれも大型のものは鍋料理に用いられる超高級魚で、アラ鍋と書かれていると紛らわしい。また、九州の一簿ではアラのことをタラと呼ぶそうで、これはこれでまた紛らわしい。その他地方によってアラマスやオキスズキ、ホタなどとも呼ばれている。
学名の属名”Niphon”は日本を指す。種小名”spinosus”は「棘の多い」という意味のラテン語に因む。
◆アラの生態
アラは日本近海では北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、青森県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海(稀)、東シナ海大陸棚縁辺〜斜面域に分布し、海外では朝鮮半島南岸、済州島、台湾、スル海で見られる。
水深70メートルから360メートルの沿岸や大陸棚縁辺部の貝殻まじりの砂底や岩礁域 の岩礁域に棲息し、魚類をはじめ甲殻類やイカ類などを捕食する。
産卵期は海域によって多少ずれがあるようだが、おおむね夏が盛期となる。
◆アラの特徴
アラは標準体長80㎝程で、大型になると1mにもなる大型の魚である。写真は40㎝程の若い個体。
体形はやや側扁し、スズキに似ているが成熟とともに体高が高くなる傾向がある。頭部はハタ科らしく大きく、口を閉じていると吻が尖った形に前に突き出し、下あごが上あごよりも前に出ている。尾ビレは大きく、緩く湾入する。ウロコは非常に細かい。
ハタ科に分類されているように、主鰓蓋骨に3棘があり、アラの前鰓蓋骨の下角には長く鋭い棘が一本突き出ている。背ビレの棘条は前部に12本と第二背ビレの最初に一本の計13本。
体色は背が褐色で腹は銀白色で、幼魚から若魚までは目の前部から第二背ビレ基底部に至る白い筋が入っているが、成長とともに薄れ、成魚になると見えなくなる。
尾ビレは全体に黒っぽいが、後縁が細く白く縁どられ、下葉の先端と臀ビレの先端が白い。
●アラの主な産地と旬
◆主な産地
アラは成魚は主に底延縄や一本釣りで、幼魚は底引網でまとまって漁獲される。
幼魚から若魚は福岡県や山口県、福井県などの日本海沿岸部の底引き網でまとまって漁獲されている。
大型のものは鹿児島県や長崎県などが多い。
◆アラの漁獲時期と旬
アラがおいしい旬は身に脂がのる秋から冬にかけて。鍋のシーズンでもあり、大型のものは特に美味しいがおいそれとは手が出せない値が付けられる。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アラ |