アカメ:生態や特徴と産地や旬
●アカメの生態や特徴
◆アカメとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > アカメ科 > アカメ属(BISMaLより)
学名:Lates japonicus Katayama & Taki, 1984
和名:あかめ/赤眼
英名:Japanese lates
別名:オキノフナ(種子島)、マルカ(宮崎)
アカメ科は国内では本種を含むアカメ属と、アカメモドキを含むアカメモドキ属の2種2属しかいない。その中でもアカメはスズキ亜目アカメ科アカメ属の日本固有種。東南アジア辺りで重要な食用魚となっているバラマンディやアフリカのナイルパーチはアカメ属でアカメの近縁種である。
大きいものは1mを超え、汽水域や淡水魚類中では最大種で、浅い沿岸で釣れる大物として釣り人の憧れとなっており、ビワコオオナマズ、イトウと共に「日本三大怪魚」と言われている。
アカメという名称は、この魚の眼が光を当てると赤く光る事に因む。
ただ、生息数が少なく近年の環境破壊などで生息場所も限られ、2007年には「絶滅危惧IB類(EN)」として扱われており、宮崎県では指定希少野生動植物の一種として捕獲等を禁止している。
◆アカメの生態
アカメの成魚は沿岸の浅い海に生息し、春から秋にかけて内湾の汽水域や河口内に入ることが多い。幼魚は湾内や河口付近の汽水域にあるアマモ場に多くみられる。
夜行性で、小魚や甲殻類を捕食する。
宮崎県ホームページによると、1メートルを越える大きなものは、すべて雌であり、性転換する可能性が大きい。成魚になるまでに雌は約10年、雄は約6年位かかると推定されている。
「日本産魚類検索全種の同定第三版」によるとアカメは日本の沿岸域に生息し。静岡県浜名湖〜鹿児島県志布志湾・内之浦湾の太平洋沿岸、大阪湾、香川県、種子島に分布する。また、幼魚は高知県四万十川、宮崎県大淀川に入る。
◆アカメの特徴
アカメは標準体長1.2mにもなる大型の魚で、これまでの記録では全長137cmもある個体があがっている。写真のものは全長64cmほど3.2kg。
成魚の体色は銀灰色で体形は体高が高く、頭部背面が眼の後方でくぼむように後方が盛り上がっておりヒラスズキに似るが、眼の位置が吻のすぐ近くにあり、体の大きさに対し顔がとても小さく感じる。
幼魚の体色は暗褐色の地色に不規則な黄色い横帯が入っており、成魚とは様子が違う。
前鰓蓋後縁に大きな棘が1本、前鰓蓋骨下縁に小さな3つの棘がある。
背ビレは太く鋭い7~8棘条の前部と1棘11軟条の後部に分かれ、第3棘条は胸ビレよりも長い。臀ビレは3棘8軟条からなり、第2棘条は第3棘条よりも長い。
●アカメの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
アカメの主な産地は高知県。宮崎県でも比較的多くみられるが、宮崎県では絶滅危惧Ⅱ類として扱われ捕獲等が禁じられている。また、徳島県でも準絶滅危惧種として扱われている。
他の生息域でも稀に漁獲されてはいるようだが、数が少なく希少性から価格もやや高い。
◆アカメの漁獲時期と旬
市場には6月ごろに数は少ないが入荷がみられる。
産卵期は夏とみられ、旬は産卵を迎える前に食性が活発になり身が充実する春から初夏にかけて。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アカメ |
< 出 典 >
※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 p.150
※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 p.743
※「食材魚貝大百科 ②」平凡社 p.128
※「指定希少野生動植物の概要(アカメ)」 宮崎県
※ Lates japonicus FishBase