トラフカラッパの目利きと料理

トラフカラッパ Calappa lophos

  

●トラフカラッパの目利きのポイント

◆生きていること

 カニ類は死ぬとその時点から一気に自己消化が始まり、死んで時間が経ったものは中がスカスカになっていたりします。

 このカニはスーパーなどで売られていることはほぼないと思いますが、産地の市場などで生きているものを見かけたら是非買ってみてください。きっととても安く売られていると思います。

トラフカラッパ Calappa lophos

◆手に持って重い物。

 実はカニは死んでからはもちろんですが、生きていても環境の変化などのストレスによって自己消化を始めてしまうことがあるそうです。

トラフカラッパ Calappa lophos

 選べるのであれば一つ一つ手に持ってみて、しっかりと重みが感じられるものを選びましょう。

◆メスがお勧め

 トラフカラッパはオスとメスで体形の違いはあまり見られません。ただ、内子のあるなしは食味に大きく影響するので、選ぶならメスがお勧めです。

トラフカラッパ Calappa lophos 雄と雌 オスとメス

 オスとメスの見分けは他のカニ類同様、はかまの部分を見ます。ただ、このカニは雌のはかまも比較的スリムなので雄のものと見比べて違いを見ておくといいでしょう。

●トラフカラッパの美味しい食べ方と料理

塩ゆでしたトラフカラッパ Calappa lophos

◆調理のポイント

 買ってきたらできるだけ早く塩ゆですることをお勧めします。

 茹で方は、湯の量に対して3%ほどの塩を加え、沸騰させている中で10分程茹でてザルにあげて粗熱をとります。

 茹でると写真のように赤く色が変わります。

 下で紹介していますが、このカニは茹でたものをミソと爪の身はそのまま食べ、肩の部分は唐揚げで食べるのがお勧め。

◆トラフカラッパの塩ゆで

 上記の方法で塩ゆでしただけのもの。

塩ゆでしたトラフカラッパ Calappa lophos

 カニミソは比較的あっさりした感じですがまあまあ美味しく食べられます。それに今回のものはメスの中に内子がたっぷりと詰まっていました。写真の赤く見えるのがそうです。これはまったりとしたコクがあり、それでいてしつこくなく美味でした。

 ハサミの部分の身はあっさりとした甘みで少し水分が多く、肩の部分には身が少しありますが食べにくいです。

◆トラフカラッパの唐揚げ

 トラフカラッパの肩の部分にカレー風味の片栗粉をまぶして唐揚げにしたもの。

トラフカラッパの唐揚げ Calappa lophos

 塩ゆでしたトラフカラッパの甲羅を外し、肩の部分についている白いエラを取り除く。

 真ん中から左右を包丁で切り分ける。状態が良い物はしっかりと身が詰まっているのがわかる。自己消化しているものは中身がスカスカになっている。

 切り分けたものを、少しカレー粉を加えた片栗粉をまぶして160度の油で数分間揚げて一度取り出し、190度に上げた油でもう一度カラッと揚げる。

 トラフカラッパの歩脚や肩の部分の殻は比較的柔らかく、二度揚げすることでバリバリとそのまま食べることができるようになる。食味は想像以上に美味しく、ビールなどのつまみに丁度いい。


 
 

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