■クワイ(慈姑)とは
●オモダカ科オモダカ属 (英)arrowhead
クワイは中国原産のオモダカ科の水性野菜で、見た目は里芋に似た球形です。中国と日本でしか栽培されていないようで、中国のものが白クワイと呼ばれ、日本のものは青いので青クワイと呼ばれています。中国のものは、しゃきしゃきした独特の歯ざわりがあります。日本では、勢いよく芽が出ることから縁起物として正月料理に用いられます。そのため、市場に出回るのもその時期が中心になります。
●主な3種
◆青クワイ(アオクワイ)
国内の各地で栽培されているのはほとんどこの品種。正月のおせちに入るのも主にこれを使います。
●吹田クワイ(スイタクワイ)
大阪府吹田で古くから栽培された小ぶりの品種で、なにわの伝統野菜とされています。その歴史は古く、万葉集にも帰されているそうです。江戸時代には貝原益軒が「大和本草」にも取り上げています。宅地開発などが進み一時絶滅の危機にあったようですが、近年保存活動が行われています。吹田クワイはアオクワイよりも小ぶりで、「ヒメクワイ」や「マメクワイ」などとも呼ばれています。肉質は緻密でえぐみが少なく、甘みがあり、栗のような食感があります。
◆白クワイ(シロクワイ)
白クワイは中国の品種で、青クワイよりも大きな楕円形で、硬めで味的には青クワイより劣ります。
■クワイ(慈姑)の産地と旬の時期
●クワイ(慈姑)の主な産地と生産量
クワイの全国の生産量を見ると、東の埼玉県と西の広島県で全体の90%を生産しています。広島は福山が有名で、埼玉は越谷市などが知られています。
また、京都では「京野菜」の一つに選定されています。
●クワイの収穫時期と旬は
クワイの収穫は9月頃から始まり、春先まで続きます。しかし、年間流通量の大半は11月下旬から年明け1月頃までに集中しています。そういう意味では、その時期、11月から1月頃までが旬と言えるのではないでしょうか。
また、年明けには一気に価格が下がり手頃な価格に落ち着くので、ある意味お買い得となります。
品種 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||||||||
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くわい |