●子持ち鮎(こもちあゆ)とは

◆子持ち鮎の特徴

 アユの産卵期は河川によって差があるが9月から12月初旬辺りまでの秋である。卵巣が発達し産卵が近づくとアユは上流や中流から下流域に下り流れの緩やかな浅瀬で産卵をする。

 こうして産卵のために上流から下流に下るアユを「落ちアユ」よぶのだが、その頃のメスの腹はシシャモのように卵巣がみっちり詰まった状態になっており、「子持ちアユ」として夏のものとは違った味わいが楽しめる。

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 子持ちアユの大きさは河川など環境の違いによって大小差があり大きい物だと30cm近くなるものもいるが小さい物では10cmほどで子持ちとなるものもいる。

 体色も環境等によって多少違いが出るようで、写真のように尻ビレと尾ビレ、脂鰭の先端がきれいな黄橙色になるものや尾ビレが灰色になる河川もある。また、胸ビレの上あたりの黄斑も写真のものはかなり薄くぼやけているが産地によってはくっきりと表れているものもある。

●子持ち鮎の美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

 子持ち鮎は夏の若鮎ほどスイカのような香りは強くない。そのかわり、コクのある卵巣がびっしりと詰まっている。

 一般的には甘露煮が王道として知られているが、塩焼きでも美味しい。

◆子持ち鮎の焼き物

 写真は京都美山荘で供された料理。子持ち鮎の頭と尾を落とし、下味をつけて炭火で焼き上げたものを杉の薄い板で包みさっと炙ってあるようでした。

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 ほのかに杉の香りも加わり、ふっくらと焼きあがった子持ち鮎は絶品でした。

◆子持ち鮎のコンフィ

 子持ち鮎、家庭ではグリルで塩焼きにするか甘露煮にするのが一般的ですが、フランス料理のコンフィにすると一味ふた味違った美味しさが家庭でも楽しめます。

 材料も特別なものは使いません。塩とハーブ、それニンニクとオリーブ油だけです。難しいことはしませんが、ただ、時間をかける必要があります。

 子持ち鮎のエラを取り除き、全体にたっぷりの粗塩をまぶし1時間ほど馴染ませてから表面のぬめりと共に洗い落とす。

 これをニンニク、ローズマリー、ローリエと共に鍋に入れ、オリーブ油とサラダ油半々くらいの割合でアユが浸る程度注ぐ。

 インダクションレンジ(IHクッキングヒーター)に乗せ、保温モード90度でセットし6~7時間じっくりと火を入れる。

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 時々覗いてアユの表面が油から出ていたら油をかける。途中、鮎を裏返してもいいが、頭が折れてしまったりアユが崩れてしまうことがあるのでお勧めはしない。

 時間になったらスイッチを切り、そのまま常温まで冷まし、油に使ったままの状態で冷蔵庫で一晩落ち着かせる。

 食べる時に油から取り出し、フライパンで表面をカリッと焼き上げるか、オーブントースターで焼き上げる。

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 外はカリッと、中はふっくらジューシーに仕上がります。また、骨も柔らかくなっていてそのまま食べることができます。

 外側はローズマリーやニンニクの香ばしい香りが強いですが、腹を割って口に運ぶとほんのりとアユらしい風味もありとても美味しいです。

◆子持ち鮎のコンフィを使ったパスタ

子持ち鮎ののコンフィを使ったパスタ

 子持ち鮎のコンフィを筒切りにし、コンフィのオイルを少しフライパンにひき、アユの身の皮目をカリッとなるまで焼き上げます。

 パスタをゆで、途中から青菜(今回はわさび菜)も鍋に入れ一緒にゆで上げます。

 アユを焼いているフライパンにコンフィのオイルをたっぷりと足し、そこに茹で上がったパスタと青菜を加えて和えるだけ。

 アユの子(卵)がほぐれ、タラコスパのような感じになり、香ばしいアユの身もパスタによく合います。パスタを和える際、アユの身が崩れすぎないように注意しましょう。

◆子持ち鮎の旬

 子持ち鮎の旬は産卵を控えた9月下旬~11月中旬頃にかけてが旬となります。

旬のカレンダー 9月 10月 11月 12月
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