北之庄菜(きたのしょうな)を後世まで

北之庄菜(きたのしょうな)保存会の大山 真さん 伝統野菜
北之庄菜(きたのしょうな)保存会の大山 真さん

 11月10日、関西で活躍されている野菜ソムリエの宮崎ノゾミさんをはじめ、大阪でミシュランの星付きレストランをはじめ専門料理店を相手にこだわりの野菜だけを扱う八百屋「 Bonnie Tone (ボニートーン)」を営まれている母良田(ほろた)夫妻、それに発酵マイスターでお酒のアテ研究家の久保崇裕氏が滋賀県に来てくれた。せっかくなら生産者さんや畑を紹介したい。そこで真っ先に思い付いたのが近江八幡の伝統野菜「北之庄菜(きたのしょうな)」の保存活動をされている大山 真氏だった。 3年近く前に圃場を案内していただき、「旬の食材百科」に 北之庄菜(きたのしょうな) のページを掲載させていただくとともにブログ「近江八幡、北之庄菜の郷を訪ねて」でも紹介させていただいたことがある。今回大山氏に相談させていただくと快諾していただけた。

北之庄菜(きたのしょうな)の圃場
北之庄菜(きたのしょうな)の圃場

 当日、近江八幡市の 北之庄営農倉庫の前で待ち合わせし、そこから北之庄菜(きたのしょうな)保存会の圃場を案内していただいた。 圃場は輪作を避けるため、毎年替えているそうだ。

大山 真氏

 週末という事もあって、大山氏は可愛い娘さんと共に案内してくださった。

 早速ボニートーンの母良田氏は畑の土の様子をチェックしていた。彼は取引先となる生産者を数多く訪ね栽培されている様子を自ら確かめている方なので土を見ればそこでできる作物の善し悪しがある程度わかるそうだ。

北之庄菜(きたのしょうな)の圃場
まだ成長段階の小さな北之庄菜(きたのしょうな)

 以前訪問させていただいた時は1月半ばで圃場に雪が残っていたが、今回はまだ温かく、 北之庄菜はまだかぶの部分が小さい。しかし、これくらいのサイズでも甘みがあって十分に美味しい。むしろこれくらいの時期の方が葉柄がまだ柔らかくいいのではないかとさえ思う。

 この圃場は開けたところにあり、時折そよ風が吹いていてとても気持ちが良かった。

Bonnie Tone (ボニートーン) のご夫妻
母良田(ほろた)さやかさん
母良田 智樹
久保崇裕氏
北之庄菜 を手にする 宮崎ノゾミさん

 大山氏からかぶをいくつか収穫してもいいと言ってくださったので大きく育っていそうなものを宮崎さんが抜き取り、空にかざして撮影。 北之庄菜はまだ小さいが葉柄とかぶが地上に出ている部分が赤紫色でとても綺麗だ。

  2008年に「近江八幡2010フォーラム 農業政策・ブランド化プロジェクト」としてスタートし一時は10軒ほどの農家さんが栽培し、いろいろ食べ方の紹介や加工品の開発などを進め販路拡大に努めてこられたのだがなかなか思うように市場は広がらず、今年は保存会も4人になり、現在栽培しているのは見せていただいた圃場だけとなってしまっているそうだ。

  同じ滋賀県の伝統野菜である日野菜は比較的広く認知され県内いたるところで生産出荷されているのだが、何が違うのだろうか…。 北之庄菜を食べた食味は風味や食感は決して悪くはない。むしろしっかりとした味わいが感じられる。ただ、形はそろいにくい。一本一本の顔が違っていて、物流の面で扱いにくいというのはありそうだ。しかし漬物などの加工品向けにするのであればそんなに大きな問題ではない気もするのだが、今日ご飯を食べる機会、量が減ってきている中、漬物の需要もかなり減っていると聞く。

 それにしても、こうした伝統野菜が姿を消していくのはもったいないし、寂しいと思う。こうした状況にある伝統野菜は全国各地にあるのではないだろうか。

 作り手が売りたいと思っても、市場からそれを求める声が上がらなければ販路は開けない。せめて産地である近江八幡、そして滋賀県の料理店で地場に伝わる伝統野菜として、そして強く季節感を感じさせてくれる野菜としてメニューに組み込んでいただきたいものだ。

 今、もうすでに欲しいと思ってもまとまった量は手に入らない食材となってしまっている。これが欲しい!使いたい!食べたい!という声を今あげておかなければ数年後には絶えてしまうかもしれない。欲しいと思う方がいれば筆者戸川あるいは 大山 真氏 に声をかけていただきたい。

 最後にみんなで記念撮影。私は撮る人です(^^ゞ。

 圃場見学はこの後、同じ近江八幡で農薬・化学肥料を使わずに20年も野菜を作り続けている小林ファームの小林めぐみさんの圃場へ続く。

コメント

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました