山菜 タラの芽(楤芽)の栄養価と効用

タラの芽

 タラの芽(楤芽)に含まれる主な有効成分とその働きや、カロリーをはじめ各種ビタミン類などの栄養成分量を日本食品標準成分表2020年版(八訂)を共に紹介します。

●タラの芽に含まれる主な有効成分とその働き

◆β-カロテンをはじめ、ビタミンCやビタミンEなど抗酸化ビタミンが多く含まれています。

 タラの芽には活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンB、β-カロテンが多く含まれており、脂質の酸化を抑え、がん・心血管疾患ならびに生活習慣病などの予防に役立つほか、アンチエイジング効果もあると言われています。

◆カリウムをはじめミネラルが豊富

 タラの芽にはカリウムはじめ、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラルを含んでいます。カリウムにはナトリウムを体外に排出する働きがあり、高血圧の方に効果があると言われています。また、骨の形成に欠かせないマグネシウムやリンも沢山含んでいます。

◆葉酸を多く含んでいます。

 タラの芽は葉酸も多く含んでいます。葉酸はDNAの合成や調整に関わり、正常な細胞の増殖を助ける働きがあることから、妊娠中の女性は胎児のために沢山摂取する方が良いと言われています。

◆糖尿病を予防する効果のあるエラトサイド

 タラの芽にはエラトサイドと呼ばれるサポニンの一種が含まれており、この成分の働きにより、食後の血糖値の上昇に対し、糖の吸収を抑えて血糖値を下げる他、アルコールの吸収も抑えてくれます。

◆健胃、強壮、強精作用

 タラの芽には健胃、強壮、強精作用があると言われています。

●日本食品標準成分表2020年版(八訂)でみるタラの芽の栄養成分量

タラの芽

◆タラの芽の可食部100gあたりの成分

 下の表に含まれる成分の量を載せています。それぞれの栄養成分の働きはその成分をクリックすれば各栄養素のページに移ります。

食品名 単位 ゆで
エネルギー kcal 27 27
水 分  g  90 91
たんぱく質 4.2 4.0
コレステロール mg (0) (0)
脂質 g 0.2 0.2
食物繊維
総量
4.2 3.6
炭水化物 4.3 4.1
灰分 1.1 0.9
ナトリウム  mg 1.0 1.0
カリウム 460 260
カルシウム 16 19
マグネシウム 33 28
リン 120 92
0.9 0.9




A
レチノール μg (0) (0)
αカロテン 0 0
βカロテン 570.0 600.0
βクリプトキサンチン 0 6.0
βカロテン当量 570 600
レチノール活性当量 48 50
ビタミンD (0) (0)




E
αトコフェロール mg 2.4 2.0
βトコフェロール 0.1 0.1
γトコフェロール 1.6 1.2
δトコフェロール 0.2 0.1
ビタミンK μg 99 97
ビタミンB1 mg 0.2 0.1
ビタミンB2 0.20 0.1
ナイアシン 2.5 1.3
ビタミン
B6
0.2 0.1
ビタミン
B12
μg (0) (0)
葉 酸 160.0 83.0
パントテン酸 mg 1 0
ビオチン μg 6.7 -
ビタミンC mg 7.0 3.0