●宇陀金ごぼうとは

◆奈良の伝統野菜「大和野菜」の一つ

 宇陀金ごぼうは明治時代の初め頃から奈良県宇陀市で盛んに作られ、京阪神に出荷されてきたごぼうで、香りが良く、肉質が軟らかい事や、栽培地が細かい雲母を多く含んでいる為、収穫されたごぼうの表面にこれが沢山付いた状態が金色に光って見えたことから金ごぼうと呼ばれるようになり、縁起物として正月のおせちに珍重されてきたそうです。

宇陀金ごぼう/うだきんごぼう<大和野菜

 しかし、その栽培には非常な労力が必要で、戦後は生産者が減り、知る人ぞ知るという程度にまで見られなくなっていたようですが、収穫に重機を用いるようになったことや、近年の伝統野菜を見直す動きなどもあり、2005(平成17)年に奈良県が「大和野菜」に認定した事から現在生産者が増えつつあるとの事です。

◆宇陀金ごぼうの特徴

 長芋のでは1m30cm位で、太い物は直径7cm位になるそうです。今回入手したものも結構ごぼうにしては太く感じるものでした。堀川ごぼう程の太さがあります。

宇陀金ごぼう/うだきんごぼう<大和野菜

 このごぼうは太い方がより肉質が軟らかいと言われていて、実際に食べてみると何とも言えない優しい歯触りが楽しめました。

 表面は「金ごぼう」と呼ばれる所以となっている細かい砂状の雲母がびっしりと付いていて、光を当てるときらきらと光ります。

●宇陀金ごぼうの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 奈良県宇陀市で、中でも口宇陀と呼ばれる地域を中心に栽培されています。生産量は増えつつあるものの、雲母を十分に含んでいるなど、適した土壌の条件を満たす畑に限られる事などから、その生産量はまだ僅かです。

◆宇陀金ごぼうの収穫時期と旬

 収穫は11月初めに始まり年末まで続くようです。その後春頃まで出回ります。旬の時期は11月~正月明け辺りまでとなります。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
宇陀金ごぼう                        

●美味しい食べ方

◆調理のポイント

基本的には一般的なごぼうと同じ料理に使えます。太い物は肉詰めなどにも使えます。

◆主な料理

正月のおせちをはじめ、きんぴらや煮物、天ぷらなどの揚げ物でも美味しい。収穫仕立物は香りが良いとされているので、ポタージュなどにも適していそうです。