●さぬきのめざめとは

 「さぬきのめざめ」は香川県が開発した、春の萌芽(芽覚め)が早く、生長しても穂先が開きにくく締まっており、長く伸びてからでも根元までやわらかく、通常の2倍ほどの長さでも収穫できるのが特徴の香川県オリジナル品種のアスパラガスです。

◆さぬきのめざめの来歴

 「さぬきのめざめ」は香川県が農業試験場で1996(平成8)年からオリジナル品種の開発を始め、同試験場で1998(平成10)年に選抜した雌株「No.17」と雄株「No.16」を交配し、得られた種子に系統名「ASP-15」を付して育成、調査され、2002(平成14)年に「さぬきのめざめ」という名称で種苗法に基づく登録出願、2005(平成17)年に品種登録された香川県オリジナル品種のアスパラガスです。

 2024年現在では、香川県で栽培されているアスパラガスのうち77%ほどを占めているそうです。

◆さぬきのめざめの特徴

 さぬきのめざめは長いものは写真のように50cmを超えますが、25cm程のものも多く出荷されているようです。長芋のはロングアスパラガスという名称がつけられていたりもします。

アスパラガス さぬきのめざめ アスパラガス さぬきのめざめ

 一般的なアスパラガスよりも春の萌芽(芽覚め)が早く、生長しても穂先が開きにくく締まっているので、長く伸びてからでも根元までやわらかく、通常の2倍ほどの長さまで伸びてからでも収穫できるのが特徴となっています。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 草丈は長、茎の太さ及び節間長は中、ぎ葉長はやや長、密度は中である。

 若茎の太さ及びそろいは中、色はやや淡緑、アントシアニンの発現はやや多、茎数は多、

 頭部の形はⅠ型、色はやや淡緑、頭部のしまりは緊、開頭の早晩は晩、りん片葉の色はやや淡緑、アントシアニンの発現は中、着生部の隆起はⅡ型である。

 花被の色は黄、脈の色は緑、雄花の長さ及び多少は中である。

 低温要求度はかなり低、萌芽の早晩はかなり早、雄株の割合は中である。

-----』以上、抜粋。

◆さぬきのめざめの食べ方

 さぬきのめざめの長いものは、その長さが最大の特徴なので、出来ることならその長さを活かした料理に使いたいところですね。お店などではそのままの長さで大きな火口で炭焼きなどにすると演出効果もあっていいかもしれません。ものすごく長いアスパラガスの天ぷらやフライ、肉巻きなどにすると見た目のインパクトがあって面白いですね。

野菜炒め

 しかし、一般の家庭ではその長さのまま調理するのは難しいので、3等分くらいに切って調理します。穂先部分をのこして、表面の皮を剥いて調理します。結構根元近くまで柔らかく美味しいので、切り捨てる際には固さを見て無駄が無いようにしましょう。

 先から20cm程は丸のまま茹でたり、揚げ物、焼き物などに使えますが、それより根元側の部分は斜め切りや短く筒切りにするなどして調理するといいでしょう。

●さぬきのめざめの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

アスパラガス さぬきのめざめ

 「さぬきのめざめ」は香川県のオリジナル品種として、栽培は香川県内に限定されています。

 一般的なアスパラガスに比べ、収穫時期が短く、収量も少ないことから、高値で取引されるようブランド化されています。

◆さぬきのめざめの収穫時期と旬

 収穫はまだ寒い1月から始まるようですが、最盛期は春芽の3~4月と夏芽の7月です。

 また、50cmを超える長い物は暖かくなる前の4月までとなっています。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
さぬきのめざめ                        

< 出 典 >

※ 「アスパラガス新品種「さぬきのめざめ」の育成」香川県農業試験場研究報告 56号 p. 43-49 2003年10月

※ 「アスパラガス(さぬきのめざめ)」うどん県県産品紹介ポータルサイト LOVEさぬきさん

※ 「野菜:アスパラガス」JA香川県

※ 「登録番号13197 さぬきのめざめ」農林水産省品種登録データベース