■紅しぐれ大根の来歴や特徴と食べ方

●紅しぐれ大根の来歴

紅しぐれ大根‐赤いダイコン(赤大根/紅大根)

 紅しぐれ大根は(株)トーホクが東洋大学の下村講一朗教授と共同開発によって育成し、トーホク交配ブランドで種子を販売している品種です。

 発売されてからもう随分と年月が経ち、現在では市場にも出荷されており、各地の直売所でもお馴染みのカラフル大根の一つとなっています。


●紅しぐれ大根の特徴

 紅しぐれ大根は根長25~26cm、根径8~9cm、根重約1㎏ほどの大根で、外皮は首辺りがアントシアニンによる濃紫色で、地中部分の胴から先までは淡紫色をしており、根内部も中心が紫に着色します。色は紅ではなく紫なので、紅しぐれというより紫しぐれと言った方が良いのでは?と思ったりします。

 この紫色の色素はアントシアニンで、青首大根と比べ約3倍の抗酸化作用があるとされています。

●酢に浸すと赤くなる

紅しぐれ大根の酢漬け

 スライスしたものを酢に浸すと赤い色がより鮮やかに成ります。甘酢漬けなどにすると綺麗ですよ。

 右の写真は奥が生のものをスライスしたもので、手前がそれを酢に浸しておいたものです。

●適した料理

 上記のように酢に漬けると綺麗に発色することから、酢漬けや漬物に適しています。また、生のままスライスしてサラダに使っても良いでしょう。辛味は少なく、卸にすると淡い紫色の大根おろしになります。煮物には使えないわけではありませんが、色が映えずあまりお勧めではありません。

●くれない総太り大根と比べて

紅しぐれ大根とくれない総太り

 紅しぐれ大根と同じように外皮と中の中心も色がついているくれない総太り大根と比べてみると、色はくれない総太り大根の方がより鮮やかな赤に近く、紅しぐれ大根は赤と言うより紫色に近い色合いですね。大きさは明らかに紅しぐれ大根の方が太く大きいです。

紅しぐれ大根‐赤いダイコン(赤大根/紅大根)

■紅しぐれ大根の栽培と収穫時期

●紅しぐれ大根の栽培

 紅しぐれ大根は一般に種子が販売されており、誰でも栽培することができます。また、家庭菜園でも比較的作りやすい品種です。

 メーカーのサイトには中間地・暖地では9月上旬~中旬まき、冷涼地ではそれより早い7月下旬~8月まきに最適と紹介されています。

●紅しぐれの収穫時期や沢山出回る旬

 紅しぐれ大根の収穫盛期は10月~12月上旬にかけてとなります。


似たような紫色の大根

庄大根(しょうだいこん)

庄大根(しょうだいこん)

 愛媛県松山市の伝統野菜で、根首部分から約3分の1くらいまでが赤紫色で、中の肉色は白い、大きな大根。

紅甘味大根

紅甘味大根

 みかど協和が開発し、販売しているF1品種で、首から先に向け、濃い紫から白へ美しいグラデーションとなる大根。

ミラノ大根

ミラノ大根

 イタリアで作られている品種を藤田種子が国内向けに販売している品種で、人参のような形で皮が紫色の大根。

味いちばん紫/味一番 紫<赤い大根

味いちばん 紫

 シンジェンタジャパンが販売している皮が紫色で、中も部分的に紫色のミニ大根。

紅しぐれ大根‐赤いダイコン(赤大根/紅大根)

紅しぐれ大根

 トーホクが東洋大学の下村講一朗教授と共同開発によって育成されたF1品種で外皮の部分が紫色で、中心部分にもうっすらと紫色が入っています。