花御所柿(はなごしょがき)/こおげ花御所柿:特徴や旬の時期と主な産地

花御所柿(はなごしょがき)

■花御所柿(はなごしょがき)とは

 花御所柿は鳥取県郡家町花の野田五郎助が奈良の「御所柿」の穂木を持ち帰り、接木したのがルーツとされる完全甘柿で、一定の基準を満たしたものは「こおげ花御所柿」として出荷され、その食味は甘柿の中では最高ランクと言われてきました。

●花御所柿の来歴

花御所柿(はなごしょがき)

 花御所柿は天明年間(1781-1789年)に、郡家町(こおげちょう)(現 八頭町)「花」の農民・野田五郎助という人が現在の奈良県から「御所柿」の枝を持ち帰って、渋柿に接木したのが始まりといわれています。当時は「五郎助柿」とよばれていたようですが、「花」というところで作っている「御所柿」ということで、1909(明治42)年に農林省園芸試験場の恩田鉄弥博士が「花御所柿」と命名されたとの事です。

 それ以来、200年以上にわたり、この地で作り続けてこられた上質な完全甘柿です。

 1969(昭和44)年に、果色・熟度・生傷・ヘタスキ・果形・大きさといった基準設け、これをクリアした高品質の花御所柿を「こおげ花御所柿」としてブランド化したことで市場から高い評価を受け、今日に至っています。

 2018(平成30)年には鳥取県八頭郡八頭町の「こおげ花御所柿」が地理的表示(GI)保護制度に登録されました。

●花御所柿の特徴

 花御所柿は大きさは平均200gほどで「富有柿」と同じ位で、果頂部がやや盛り上がった腰高な形をしていて、縦に半分に切ると丸みのあるハート型になります。上下に半分に切った断面は丸みを帯びた四角い形をしています。

花御所柿(はなごしょがき)

 果皮の色は赤みを帯びた橙色で艶がありますが、果実の表面にシミ状の斑点が出やすく、またヘタスキも発生しやすい品種です。

花御所柿(はなごしょがき)

 肉質はとても緻密で果汁が多く、糖度が17~20度ととても甘い品種です。ただし、渋味が抜けるのが遅く、11月になって霜がおりる頃、葉が落ちはじめ、実が赤くなって完熟し、そうしてようやく渋が抜けて甘くなります。その味は甘柿の中では最高とも言われ、とろけるような味は一度食べたら忘れられません。また、ほんのりと渋みが口に残るのも特徴のひとつです。種は1個から3個程入っています。

■花御所柿(はなごしょがき)の出回る旬の時期と主な産地

●花御所柿の主な産地は

花御所柿(はなごしょがき)

 花御所柿は鳥取県の特産柿です。政府の統計データでは2020(令和2)年産の栽培面積は鳥取県しかなく、12.8haとなっています。2010(平成22)年は19.7haとなっていたので、この10年前の間に2/3ほどに減っています。

 花御所柿は、鳥取県の東部、因幡地方でのみ栽培され、しかもその9割が「郡家町」)(現材の八頭町)というところで栽培されています。 しかも不思議な事にこの「花御所柿」は、「郡家町」の中でもごく一部の限られたところでしか品質の良いものがとれないそうです。そこは、旧「大御門村(おおみかど村)」内で、発祥の地「花(はな)」をはじめ、「大門(だいもん)」「西御門(にしみかど)」「殿(との)」「市の谷(いちのたに)」など。なにかしらゆかりのありそうな地名のところばかりです。なぜこの限られた地区だけしか良いものがとれないのか詳しい事はわかっていません。(JA全農鳥取ホームページより)

●花御所柿(はなごしょがき)の収穫時期

 花御所柿は晩生種で、早いものでも11月中旬辺りからの収穫となり、11月下旬から12月中旬が最盛期となります。出荷量の6割は贈答などの進物用として販売されているようです。食べ頃の旬は11月下旬から12月いっぱいで、柿の中では最も遅い旬を迎えます。

旬のカレンダー 9月 10月 11月 12月 1月 2月
花御所柿                                    

< 出 典 >

 ※ 「花御所柿」カキ品種名鑑 遠藤融郎著 日本果樹種苗協会 p.

 ※ 「こおげ花御所柿」地理的表示産品情報サイト

 当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。