ホタテガイ/ほたて貝/帆立貝を選ぶ際のポイント、目利きや見分け方、さばき方、殻の開け方をはじめ、美味しい食べ方と調理方法、主な料理、料理レシピなどを沢山の写真と共に紹介します。

●ホタテガイの目利きのポイント

◆殻付きのものは生きている事

 殻付きのホタテの場合は生きていることが前提。少し殻が開いているものは、触れた時に素早く殻を閉じる元気なものを選ぶ。

 また、殻の隙間から中がのぞけるなら貝柱が大きいものを選ぶ。

 外套膜が殻の縁近くまで広がっているものを選ぶ。

ホタテガイ/ほたて貝/帆立貝

◆貝柱だけの状態の場合

 スーパーなどで売られている貝柱のほとんどは冷凍物を解凍したもの。食感では生より劣るが風味は悪くない。

◆天然物と養殖物

ホタテガイ/ほたて貝/帆立貝

 天然物はふくらみのある右殻の外側の色が白く綺麗なものが多いのに対し、養殖物は茶色っぽい色の物が多い。これは天然物の場合、右殻を下にするので光に当たらないためで、籠などで養殖されたものは光が当たりやすい殻と考えられる。また、耳吊り養殖の場合は蝶番のある側に吊るための穴が開けられているか、ひも状のものが付けられている。

 ただ、純天然物と地播き放流物は同じ環境で自由に動き回り成長するので味や食感的には同じと考えてよい。籠養殖や耳吊り養殖のものは泳ぎ回れないため貝柱が小さめで天然物にはかなわない。

◆オスとメス

 ホタテガイにはオスとメスがあるが、味的な違いはほとんどないと思ってよい。強いて違いはと言えば生殖巣の微妙な食感と味くらい。メスのオレンジ色の方がややコクが多く、オスの白いものはコクはオレンジほどない代わりにほんのり甘味が感じられる。

ホタテガイ/ほたて貝/帆立貝 オスとメスの見分け

 写真はオスで、生殖層の色が白っぽい。メスはこの部分がオレンジ色である。ただし、産卵後はこの部分が縮み、判別しにくくなる。

●ホタテガイの美味しい食べ方と料理

◆殻の開け方

 殻付きのホタテガイを開ける時は、紫褐色で平らな方の殻をまずはすす。菓子用のパレットナイフなどを殻の内側の面に押し付けるようにしながら外套膜と殻の間に差し込み、そのまま貝柱と殻の間に進めてはずす。貝柱が外れたら、周りの外套膜もはがし、殻を開く。

 片側が外れたら、次は同じように殻の内側の面に押し付けるように外套膜と殻の間にパレットナイフを差し込み、貝柱と外套膜をはがす。 

◆調理のポイント

 ホタテガイの黒く丸い内臓部分はウロと呼ばれる中腸腺で、この部分には貝毒や重金属などが溜まりやすいので食べない方が良い。ただし、ベビーホタテと呼ばれるような稚貝はその心配は必要ないと思われる。

◆ホタテガイの刺身

ホタテガイの刺身/ほたて貝/帆立貝

 ホタテの貝柱は冷凍物が大量に流通しており、極身近な刺身のネタの一つで、チェーン店の安い居酒屋でもメニューに載っているのではないだろうか。

 殻付きの生きたホタテ貝が手に入ったら貝柱だけでなく、ヒモや生殖巣も添え一緒に味わおう。生の貝柱は冷凍ものにはない食感が楽しめる。またヒモや生殖巣はさっと熱湯をくぐらせてすぐに冷水に落とし、水気を拭きとって添える。これがまた歯ごたえもよく旨い。

◆ホタテガイの握り鮨

 ホタテの握りと言えば回転ずしでもお馴染みとなっているくらいポピュラーなネタである。握りにする場合、生のまま握ったものが多いが、貝柱を熱湯にくぐらせて冷水で絞め、表面だけ少し火が通った状態の物を握ることもあり、味的には後者の方が甘みが増し食感も強くなって美味しい。

◆ホタテ貝柱とトマトのサラダ

ホタテ貝柱とトマトのサラダ

 トマトのスライスと薄切りレモンを並べ玉ねぎまたはエシャロットのみじん切りを散らし、その上にホタテ貝柱、イクラをのせたサラダ。ポン酢ジュレをトッピングしている。

◆ホタテガイのマリネ カルパッチョ風

ホタテガのマリネ カルパッチョ風イ/ほたて貝/帆立貝

 貝柱をスライスし、塩胡椒、レモン汁とオリーブ油でマリネしたものも旨い。この場合、貝柱をあまり薄くし過ぎないのがポイント、薄すぎると食感が弱くなりすぎてしまう。

◆ホタテガイと甘夏、アボカドのサラダ仕立て

 ホタテをさっぱりとした甘酸っぱい甘夏と合わせてみた。

ホタテガイと甘夏、アボカドのサラダ仕立て

 ホタテは、貝柱を外し、ウロやエラを取り除いたヒモと肝(生殖巣)はさっと浅くゆでる。

 甘夏は皮を剥き、ジョウノウ膜も向いてサジョウだけにしておく。

 アボカドは皮を剥き、食べやすい大きさに切っておく。

 貝柱を4つに切り、茹でたヒモなどと甘夏、アボカドを合わせ、塩胡椒を振りオリーブ油で和える。

 甘夏の甘酸っぱさとホタテがよく合い、そこにアボカドのまったりした食味が相まって思いのほか美味しかった。

◆ホタテガイのムニエル

ホタテガイのムニエル/ほたて貝/帆立貝

 貝柱に塩胡椒を振り、小麦粉をまぶしてバターで両面焼き上げたもの。貝柱は加熱調理することで歯触りと甘味が増し、バターとの相性も抜群。

 写真は塩胡椒のみで小麦粉はまぶさずにソテーしたヒモと生殖巣も添えている。

◆ホタテガイのグリル

ホタテガイのグリル/ほたて貝/帆立貝

 殻付きホタテガイの平らな方の殻をはずし、家庭用のグリルで焼き上げたもの、仕上げに醤油を少し垂らし、バターを乗せるかオリーブ油をかける。

◆ベビーホタテホタテの酒蒸し

ホタテガイとベビーホタテホタテの酒蒸し/ほたて貝/帆立貝

 ベビーホタテはむき身にするととても小さいので殻付きのまま酒蒸しなどにすると美味しい。刻んだニンニクと共に酒、または白ワインで蒸し上げる。仕上げに酒なら三つ葉や刻んだ大葉、白ワインなら刻んだパセリなど散らすと香りも一層よくなる。

 味は旨いが、ホタテの稚貝は殻のわりに身が小さく、見た目のボリュームに対して食べる部分がとても少ない。

殻付きホタテ稚貝の白ワイン蒸し

 アクアパッツアやペスカトーレなどに加えることで見た目が豪華になる。

◆ひも付きホタテと白身魚のワイン蒸し

ひも付きホタテと白身魚のワイン蒸し/ほたて貝/帆立貝

 小さなひも付きベビーホタテは価格も安く使い勝手がいい。出汁も出るので淡白な白身魚もホタテを加えてワイン蒸しにすることでより美味しい料理に仕上がる。

◆ホタテガイと白身魚のスパゲッティ

ホタテガイと白身魚のスパゲッティ/ほたて貝/帆立貝

 ホタテはスパゲッティーにもよく使われている。トマトソースとの相性も抜群で、ソースにホタテの旨みがでて美味しい。

 また、クリームソースとの相性もいい。

ホタテと稚貝と毛ガニのスパゲッティ

◆ホタテ貝柱のフライ

 貝柱に塩胡椒を振り、小麦粉、卵、パン粉の順に絡め、180度でサクッと揚げる。ホタテの定番料理の一つで美味しい。

◆ホタテのかき揚げ

 貝柱やヒモを短冊状に切り、人参や玉ねぎなどと共に衣を付けて天ぷらにするのもお勧め。

◆ホタテガイを使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトのホタテガイを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

クックパッド レシピブログ 楽天レシピ

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