マアナゴ/真穴子/まあなご:生態や特徴と産地や旬

マアナゴ/真穴子/まあなご

●アナゴ(穴子)の生態や特徴

◆アナゴ(穴子)とは

分類:魚類 > 条鰭綱 > 真骨下綱 > カライワシ上目 > ウナギ目 > アナゴ科 > クロアナゴ亜科 > クロアナゴ属(BISMaLより)

学名:Conger myriaster (Brevoort, 1856)

和名:まあなご/真穴子

英名:Whitespotted conger

別名:単にアナゴ、ハカリメ、メソッコ(20cm程の物)、デンスケアナゴ(大きな老成魚)

 マアナゴはウナギ目アナゴ科を代表する魚で、一般的に単にアナゴと言えば本種を指す。側線孔に白点があり、これが尾まで一列に並んでいる様子が棒秤の目盛りに見えることから各地で「ハカリメ(秤目)」とも呼ばれている。

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 クロアナゴ属にはマアナゴの他、クロアナゴ、ダイナンアナゴ、キリアナゴが含まれる。

 学名はアナゴを意味するラテン語に起因する”Conger”がクロアナゴ属の属名で、ギリシャ語で『無数の』を意味する”myrios”と、『星』を意味する”astēr”を組み合わせた”myriaster”が種小名。

◆アナゴ(穴子)の生態

マアナゴ/真穴子/まあなご

 マアナゴは北海道以南の日本各地の沿岸から東シナ海沿岸及び大陸棚に分布し、水深500m以浅(多くは100m以浅)の砂泥底で日中は体を潜らせ、顔だけを出して過ごし、夜間に穴から出てきて、ゴカイなどの多毛類をはじめ甲殻類や小魚などを捕食し生息している。

 マアナゴの習性はまだ未解明な部分も多いが、産卵時期は6月から9月にかけてで、沖ノ鳥島南方沖の九州パラオ海嶺付近で産卵することが発見されている。ウナギ目の特徴でもある初期の稚魚はレプトケファルスと呼ばれる透明な幼生で、全長5~8cm程の幼生は「ノレソレ」とも呼ばれ、これも食用になる。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、喜界島(稀)とされ、海外においては朝鮮半島全沿岸、済州島、台湾となっている。

◆アナゴ(穴子)の特徴

腹開きしたマアナゴ/真穴子/まあなご

 マアナゴはオスが全長40cm、メスは90cm程になる。ウナギに似た細長い円筒状の体形で、上顎が下顎よりも前に出ており、上唇の溝が深く上にまくれあがったような感じになっている。腹ビレは無く、背から尾にかけて連なる背ビレと、肛門から尾に向けて連なる臀(しり)ビレが尾の先で一体となりウナギのように丸くはならずそのまま細くなっていく。

 体色は背から体側にかけて茶褐色で腹は白い。体側の側線孔に白点があり、これが尾まで一列に連なっている。また、その側線より上にも間隔を開けて薄く小さな白点が並んでいる。

●アナゴ(穴子)の主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

全国のアナゴ類の漁獲量

 主な産地として知られているのは瀬戸内海や有明海の他、江戸前として扱われる東京湾も産地である。

 政府がまとめた平成28年産のアナゴ類の漁獲量を見ると、最も漁獲が多いのが長崎県で、次いで島根県、宮城県と続いている。

 近年需要の増加に伴い韓国や東南アジアなどからの輸入物も増えている。

◆アナゴ(穴子)の漁獲時期と旬

 マアナゴは通年漁獲され市場に出荷されているが、旬とされるのは初夏から夏にかけてとされている。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
アナゴ(穴子)                        

< 出 典 >

 ※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 p.73

 ※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 p.281

 ※「食材魚貝大百科 ①」平凡社

 ※「旬の食材- 夏の食材」 -講談社

 ※ Conger myriaster (Brevoort, 1856) FishBase


 
 

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