メダイ/目鯛/めだい:生態や特徴と産地や旬

メダイ,目鯛,めだい,Hyperoglyphe japonica

●メダイの生態や特徴

◆メダイとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > イボダイ亜目 > イボダイ科 > メダイ属(日本海洋データセンターより)

学名:Hyperoglyphe japonica (Döderlein, 1884)

和名:めだい/目鯛

英名:Pacific barrelfish、Japanese butterfish

別名:ダルマ、タルメ、セイジュウロウ

メダイ,目鯛,めだい,Hyperoglyphe japonica

 メダイはイボダイ科メダイ属の一種で、学名の”Hyperoglyphe”はこん棒やすりこ木を意味する”hyperos”と彫刻を意味する”glyphe”から付けられている。

 和名の”メダイ”は漢字で”目鯛”と書き、見た目通りその目の大きさに由来する。

 山口や島根など山陰では「ダルマ」と呼ばれるほか、和歌山や三重などでは「セイジュウロウ」、熊本から鹿児島、四国辺りでは「タルメ」とも呼ばれる。

 メダイは臭みやクセが無く万人受けする美味しい白身の魚で、適度な大きさと歩留まりの良さもあって人気が高い。

◆メダイの生態

 メダイは北海道以南の日本各地から東シナ海に分布し、成魚は水深100~400mの海底付近に棲息し、オキアミやエビなどの甲殻類をはじめ、イカや小魚などを捕食している。

メダイ,目鯛,めだい,Hyperoglyphe japonica

 産卵期は海域によって多少差があるようだが、概ね冬から早春にかけてで、稚魚から幼魚期は流れ藻に寄り添い、成長と共に深場へと移っていく。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、東シナ海大陸棚縁辺〜斜面域、沖縄島東シナ海沖(稀)、九州〜パラオ海嶺とされ、海外においては朝鮮半島南岸・東岸南部、鬱陵島、ハワイ諸島北西部に分布するとされる。

◆メダイの特徴

 メダイは全長40~60cmのものが多いが、大きいものだと90cmを超えるものもいる。

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 体形は側扁し、断面は長楕円形で体は「鯛」と名に付く割には体高はそれほど高くなくスリム。軟条からなる背ビレの前に棘条だけが数本出ている。

メダイ,目鯛,めだい,Hyperoglyphe japonica
鹿児島魚市場に並ぶメダイ ((株)タカスイ 久保和博氏提供)

 最大の特徴は名前の由来にもなっている、体に対して大きい目玉で、これは光が届かない深海でも見えるように発達したと考えられる。また、口は小さめで、鼻先が丸く突き出ている。

 体表の色は幼魚から若魚のうちは全体に黒っぽいが、大型になると全体に色が薄くなり、背は赤みを帯びた灰褐色になってくる。

●メダイの主な産地と旬

メダイ,目鯛,めだい,Hyperoglyphe japonica
鹿児島魚市場に並ぶメダイ ((株)タカスイ 久保和博氏提供)

◆主な産地

 メダイは全国各地で一本釣りや刺し網などで漁獲されているが、主な産地として知られるのは伊豆半島沖から小笠原諸島にかけて。また、種子島や屋久島周辺も多く、鹿児島県のプライドフィッシュにも指定されている。

 山口県・島根県も水揚げ量が多いところだったが、2009年以降急激に少なくなっている。

◆メダイの漁獲時期と旬

 メダイは周年漁獲されており、旬は産地によって提唱されている時期が違ったりする。三重県では春とされ、鹿児島では1~3月、また、山口や島根などの山陰では7月から10月にかけて最も含有脂肪量が大きくなり食べて美味しい旬の時期とされている。また、冬場の目鯛は程よく脂がのり刺身に向いた時期とも言われている。

旬のカレンダー
メダイ 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
鹿児島                        
伊豆・小笠原(漁獲盛期)                        
山口・島根(脂ののり)                        
メダイの産卵期                        

< 出 典 >

 ※ 「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会

 ※ 旬の食材- 秋の食材 -講談社

 ※ 「食材魚貝大百科」平凡社

 ※ 全国漁業協同組合連合会 全国のプライドフィッシュ


 
 

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